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April 25, 2024 Vol. 390 No. 16

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心筋梗塞患者に対する FFR ガイド下完全 PCI と責任病変のみの PCI との比較
FFR-Guided Complete or Culprit-Only PCI in Patients with Myocardial Infarction

F. Böhm and Others

背景

多枝冠動脈疾患を有する ST 上昇型心筋梗塞(STEMI)患者に対する冠血流予備量比(FFR)ガイド下完全血行再建の利益は明らかにされていない.

方 法

登録ベースの国際共同無作為化試験で,STEMI または超高リスクの非 STEMI(NSTEMI)を発症し,多枝病変を有する患者で,責任病変に対するプライマリ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行う患者を,非責任病変の FFR ガイド下完全血行再建を行う群と,責任病変以外の血行再建を行わない群に割り付けた.主要転帰は,全死因死亡,心筋梗塞,予定外の血行再建の複合とした.重要な副次的転帰は,全死因死亡または心筋梗塞の複合と,予定外の血行再建の 2 つとした.

結 果

1,542 例が無作為化され,764 例が FFR ガイド下完全血行再建を行う群,778 例が責任病変のみの PCI を行う群に割り付けられた.追跡期間中央値 4.8 年(四分位範囲 4.3~5.2)の時点で,主要転帰イベントは,完全血行再建群では 145 例(19.0%),責任病変のみの PCI 群では 159 例(20.4%)に発生した(ハザード比 0.93,95%信頼区間 [CI] 0.74~1.17,P=0.53).副次的転帰については,全死因死亡または心筋梗塞の複合(ハザード比 1.12,95% CI 0.87~1.44)と予定外の血行再建(ハザード比 0.76,95% CI 0.56~1.04)に,群間で明らかな差は認められなかった.安全性転帰に群間で明らかな差はなかった.

結 論

多枝冠動脈疾患を有する STEMI または超高リスクの NSTEMI 患者において,FFR ガイド下完全血行再建を行っても,責任病変のみの PCI を行った場合と比較して,4.8 年の時点での全死因死亡,心筋梗塞,予定外の血行再建の複合リスクは低くならなかった.(スウェーデン研究評議会ほかから研究助成を受けた.FULL REVASC 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT02862119)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 1481 - 92. )