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February 8, 2024 Vol. 390 No. 6

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尋常性乾癬に対する経口インターロイキン-23 受容体拮抗ペプチド
An Oral Interleukin-23–Receptor Antagonist Peptide for Plaque Psoriasis

R. Bissonnette and Others

背景

モノクローナル抗体の使用により,乾癬をはじめとするいくつかの免疫介在性炎症性疾患の治療が変わった.しかし,これらの大きな蛋白質は注射で投与する必要がある.JNJ-77242113 は,インターロイキン-23 のシグナル伝達と下流のサイトカイン産生を選択的に遮断する,経口投与可能な新規のインターロイキン-23 受容体拮抗ペプチドである.

方 法

第 2 相用量設定試験で,中等症~重症の尋常性乾癬患者を,JNJ-77242113 25 mg 1 日 1 回投与群,25 mg 1 日 2 回投与群,50 mg 1 日 1 回投与群,100 mg 1 日 1 回投与群,100 mg 1 日 2 回投与群,プラセボ投与群に無作為に割り付け,16 週間投与した.主要エンドポイントは,16 週の時点での乾癬面積・重症度指数(PASI)スコア(0~72 で,数値が高いほど乾癬の範囲が大きいか重症度が高いことを示す)が,ベースラインから 75%以上減少すること(PASI 75 達成)とした.

結 果

255 例が無作為化された.ベースラインの PASI スコアの平均値は 19.1 であった.乾癬の罹病期間は平均 18.2 年であり,全試験群を合わせて患者の 78%に全身療法による治療歴があった.16 週の時点で PASI 75 を達成した患者の割合は,JNJ-77242113 群(25 mg 1 日 1 回群 37%,25 mg 1 日 2 回群 51%,50 mg 1 日 1 回群 58%,100 mg 1 日 1 回群 65%,100 mg 1 日 2 回群 79%)のほうが,プラセボ群(9%)よりも高く,有意な用量反応関係が示された(P<0.001).とくに頻度の高かった有害事象は,新型コロナウイルス感染症(プラセボ群の患者の 12%,JNJ-77242113 統合群の 11%),鼻咽頭炎(それぞれ 5%と 7%)などであった.有害事象が 1 回以上発現した患者の割合は,JNJ-77242113 統合群(52%)とプラセボ群(51%)とで同程度であった.JNJ-77242113 の 5 用量群に,用量に関連する有害事象の増加はみられなかった.

結 論

中等症~重症の尋常性乾癬患者において,インターロイキン-23 受容体拮抗ペプチド JNJ-77242113 は,1 日 1 回または 2 回の 16 週間の経口投与で,プラセボよりも高い有効性を示した.(ヤンセン・リサーチ・アンド・ディベロップメント社から研究助成を受けた.FRONTIER 1 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT05223868)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 510 - 21. )