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March 7, 2024 Vol. 390 No. 10

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未治療の進行尿路上皮癌に対するエンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用
Enfortumab Vedotin and Pembrolizumab in Untreated Advanced Urothelial Cancer

T. Powles and Others

背景

未治療の局所進行または転移性尿路上皮癌患者の全生存期間の改善に関して,白金製剤ベースの化学療法を超える治療はまだない.

方 法

未治療の局所進行または転移性尿路上皮癌患者を対象として,エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用の有効性と安全性を,白金製剤ベースの化学療法と比較する第 3 相国際共同非盲検無作為化試験を行った.患者を,3 週サイクルでエンホルツマブ ベドチン(1 日目と 8 日目に 1.25 mg/kg 体重を静脈内投与)+ペムブロリズマブ(1 日目に 200 mg を静脈内投与)を投与する群(エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ群)と,ゲムシタビン+シスプラチンまたはゲムシタビン+カルボプラチン(シスプラチン不適応の場合)を 3 週サイクルで投与する群(化学療法群)に,1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは,独立中央判定委員会が盲検下で評価した無増悪生存と,全生存とした.

結 果

886 例が無作為化され,442 例がエンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ群,444 例が化学療法群に割り付けられた.2023 年 8 月 8 日の時点で,生存追跡期間の中央値は 17.2 ヵ月であった.無増悪生存期間は,エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ群のほうが化学療法群よりも長く(中央値 12.5 ヵ月 対 6.3 ヵ月,病勢進行または死亡のハザード比 0.45,95%信頼区間 [CI] 0.38~0.54,P<0.001),全生存期間も同様であった(中央値 31.5 ヵ月 対 16.1 ヵ月,死亡のハザード比 0.47,95% CI 0.38~0.58,P<0.001).投与サイクル数の中央値は,エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ群 12(範囲 1~46),化学療法群 6(範囲 1~6)であった.グレード 3 以上の治療関連有害事象は,エンホルツマブ ベドチン+ペムブロリズマブ群の 55.9%と化学療法群の 69.5%に発現した.

結 論

未治療の局所進行または転移性尿路上皮癌患者において,エンホルツマブ ベドチンとペムブロリズマブの併用は,化学療法よりも有意に良好な転帰をもたらし,安全性プロファイルは既報のものと一致していた.(アステラス ファーマ US 社ほかから研究助成を受けた.EV-302 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04223856)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 390 : 875 - 88. )