October 17, 2024 Vol. 391 No. 15
進行期古典的ホジキンリンパ腫に対するニボルマブ+AVD
Nivolumab+AVD in Advanced-Stage Classic Hodgkin’s Lymphoma
A.F. Herrera and Others
進行期古典的ホジキンリンパ腫の治療にブレンツキシマブ ベドチンを追加することで,成人患者と小児患者の転帰が改善する.しかし,成人では治療毒性が増加し,小児では投与を受けた患者の半数以上に地固め放射線療法が行われている.また,再発は依然として課題である.プログラム細胞死 1(PD-1)の阻害がホジキンリンパ腫に有効であることが,治療歴のない患者を対象とした予備的試験などで示されている.
III 期または IV 期のホジキンリンパ腫と新たに診断された 12 歳以上の患者を対象に,第 3 相多施設共同非盲検無作為化試験を行った.患者を,ブレンツキシマブ ベドチンとドキソルビシン,ビンブラスチン,ダカルバジンを併用する(BV+AVD)群と,ニボルマブとドキソルビシン,ビンブラスチン,ダカルバジンを併用する(N+AVD)群に無作為に割り付けた.残存する代謝活性の高い病変に対して,事前に規定した患者は放射線療法を受けられることとした.主要評価項目は無増悪生存期間とし,無作為化から最初の病勢進行または全死因死亡までの期間と定義した.
無作為化された 994 例のうち,970 例が有効性解析の intention-to-treat 集団に組み入れられた.予定していた 2 回目の中間解析を行った,追跡期間中央値 12.1 ヵ月の時点で有効性の閾値に達しており,N+AVD は,BV+AVD と比較して無増悪生存期間を有意に改善することが示された(病勢進行または死亡のハザード比 0.48,99%信頼区間 [CI] 0.27~0.87,両側 P=0.001).追跡期間が短かったため,追跡期間を延長して再度解析を行った.追跡期間中央値 2.1 年(範囲 0~4.2 年)の時点で,2 年無増悪生存率は N+AVD 群 92%(95% CI 89~94)であったのに対し,BV+AVD 群 83%(95% CI 79~86)であった(病勢進行または死亡のハザード比 0.45,95% CI 0.30~0.65).全体で 7 例が放射線療法を受けた.ニボルマブ群は,免疫関連有害事象の頻度が低かった.ブレンツキシマブ ベドチンは,投与中止がより多いことと関連した.
III 期または IV 期の進行期古典的ホジキンリンパ腫を有する思春期児および成人において,N+AVD は,BV+AVD と比較して無増悪生存期間を延長し,良好な副作用プロファイルを示した.(米国国立衛生研究所の国立がん研究所ほかから研究助成を受けた.S1826 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT03907488)