重症血友病 A の小児に対するエフアネソクトコグ アルファの定期補充療法
Efanesoctocog Alfa Prophylaxis for Children with Severe Hemophilia A
L. Malec and Others
治療歴のある 12 歳以上の重症血友病 A 患者を対象としたエフアネソクトコグ アルファの週 1 回の定期補充療法の試験では,試験前に受けていた第 VIII 因子製剤の定期補充療法と比較して,第 VIII 因子活性が高い状態で維持され,良好な出血抑制効果が認められた.12 歳未満の重症血友病 A 患者に対するエフアネソクトコグ アルファ投与の転帰に関するデータは限られている.
治療歴のある 12 歳未満の重症血友病 A 患者を対象に,第 3 相非盲検試験を行った.患児に,エフアネソクトコグ アルファ(50 IU/kg 体重)を週 1 回投与する定期補充療法を 52 週間行った.主要エンドポイントは,第 VIII 因子インヒビター(第 VIII 因子に対する中和抗体)の発生とした.副次的エンドポイントは,治療を要した出血エピソードの年間発生率,出血に対する治療,安全性,薬物動態などとした.
男性患児 74 例(6 歳未満 38 例,6 歳~12 歳未満 36 例)を登録した.第 VIII 因子インヒビターの発生は認められなかった.有害事象の大部分は重篤なものではなかった.試験担当医師によりエフアネソクトコグ アルファに関連すると評価された重篤な有害事象はなかった.プロトコルに従って投与を受けた 73 例では,出血の年間発生率の中央値は 0.00(四分位範囲 0.00~1.02),負の二項モデルに基づく平均値は 0.61(95%信頼区間 0.42~0.90)であった.治療を要した出血エピソードは 47 例(64%)で発生せず,自然出血エピソードは 65 例(88%)で発生せず,関節内出血エピソードは 61 例(82%)で発生しなかった.出血エピソードは 43 件発生し,うち 41 件(95%)はエフアネソクトコグ アルファ注射 1 回で消失した.定常状態で第 VIII 因子活性の平均値 40 IU/dL 超が維持されたのは投与後 3 日間,10 IU/dL 超が維持されたのは投与後ほぼ 7 日間であった.終末相半減期の幾何平均値は 40.0 時間であった.
重症血友病 A の小児において,エフアネソクトコグ アルファの週 1 回の定期補充療法により,第 VIII 因子活性は投与後 3 日間は正常~ほぼ正常(40 IU/dL 超),投与後ほぼ 7 日間は 10 IU/dL 超と,高い値が維持され,出血抑制効果が認められた.エフアネソクトコグ アルファは,主に重篤でない有害事象と関連した.(サノフィ社,ソビ社から研究助成を受けた.XTEND-Kids 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04759131)