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August 1, 2024 Vol. 391 No. 5

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多発性骨髄腫に対するベランタマブ マホドチン,ボルテゾミブ,デキサメタゾンの併用
Belantamab Mafodotin, Bortezomib, and Dexamethasone for Multiple Myeloma

V. Hungria and Others

背景

再発または難治性の多発性骨髄腫患者において,ベランタマブ マホドチン(belantamab mafodotin)は単剤で活性を示した.この結果は,標準治療との併用についてさらに評価することを支持している.

方 法

第 3 相非盲検無作為化試験で,多発性骨髄腫に対する治療を 1 レジメン以上受けたあとに増悪した患者を対象として,ベランタマブ マホドチン,ボルテゾミブ,デキサメタゾンの併用(BVd)を,ダラツムマブ,ボルテゾミブ,デキサメタゾンの併用(DVd)と比較評価した.主要エンドポイントは無増悪生存とした.全生存,奏効期間,微小残存病変(MRD)陰性状態を重要な副次的エンドポイントとした.

結 果

計 494 例が,BVd 療法を受ける群(243 例)と DVd 療法を受ける群(251 例)に無作為に割り付けられた.追跡期間中央値 28.2 ヵ月(範囲 0.1~40.0)の時点で,無増悪生存期間の中央値は BVd 群 36.6 ヵ月(95%信頼区間 [CI] 28.4~未到達),DVd 群 13.4 ヵ月(95% CI 11.1~17.5)であった(病勢進行または死亡のハザード比 0.41,95% CI 0.31~0.53,P<0.001).18 ヵ月の時点での全生存率は,BVd 群 84%,DVd 群 73%であった.制限付き平均奏効期間の解析では,BVd のほうが DVd よりも良好であった(P<0.001).完全奏効以上かつ MRD 陰性状態を達成した患者の割合は,BVd 群 25%,DVd 群 10%であった.グレード 3 以上の有害事象は,BVd 群の 95%と DVd 群の 78%に発現した.眼有害事象は,BVd 群のほうが DVd 群よりも頻度が高かった(79% 対 29%)が,用量変更で管理され,視力低下は大部分の患者で消失した.

結 論

多発性骨髄腫に対する治療を 1 レジメン以上受けたあと再発したか抵抗性を示した患者において,BVd 療法は,DVd 療法と比較して,無増悪生存に有意な利益をもたらした.患者の大部分にグレード 3 以上の有害事象が発現した.(GSK 社から研究助成を受けた.DREAMM-7 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04246047,EudraCT 登録番号 2018-003993-29)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 393 - 407. )