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July 4, 2024 Vol. 391 No. 1

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再発子宮頸癌に対する二次または三次治療としてのチソツマブ ベドチン
Tisotumab Vedotin as Second- or Third-Line Therapy for Recurrent Cervical Cancer

I. Vergote and Others

背景

再発子宮頸癌は生命を脅かす疾患であり,一次併用療法後に病勢進行が認められた場合の治療選択肢は限られている.

方 法

再発または転移性子宮頸癌患者を対象に,二次または三次治療としてのチソツマブ ベドチン(tisotumab vedotin)の第 3 相国際共同非盲検試験を行った.患者を,チソツマブ ベドチン単剤療法(2.0 mg/kg 体重を 3 週ごとに投与する)群と,試験担当医師が選択した化学療法(トポテカン [topotecan],ビノレルビン,ゲムシタビン,イリノテカン,ペメトレキセドのいずれかを投与する)群に 1:1 の割合で無作為に割り付けた.主要エンドポイントは全生存とした.

結 果

502 例が無作為化され,253 例がチソツマブ ベドチン群,249 例が化学療法群に割り付けられた.2 群の人口統計学的特性と疾患特性は同様であった.全生存期間の中央値は,チソツマブベドチン群のほうが化学療法群よりも有意に長く(11.5 ヵ月 [95%信頼区間 {CI} 9.8~14.9] 対 9.5 ヵ月 [95% CI 7.9~10.7]),死亡リスクはチソツマブ ベドチン群のほうが化学療法群よりも 30%低いことが示された(ハザード比 0.70,95% CI 0.54~0.89,両側 P=0.004).無増悪生存期間の中央値は,チソツマブ ベドチン群で 4.2 ヵ月(95% CI 4.0~4.4),化学療法群で 2.9 ヵ月(95% CI 2.6~3.1)であった(ハザード比 0.67,95% CI 0.54~0.82,両側 P<0.001).試験担当医師が確認した客観的奏効割合は,チソツマブ ベドチン群 17.8%,化学療法群 5.2%であった(オッズ比 4.0,95% CI 2.1~7.6,両側 P<0.001).投与期間中(1 回目の投与の 1 日目から最終投与後 30 日まで)に有害事象が 1 件以上発現した患者の割合は,チソツマブ ベドチン群 98.4%,化学療法群 99.2%であり,グレード 3 以上の有害事象は,それぞれ 52.0%と 62.3%に発現した.チソツマブ ベドチン群の 14.8%が毒性のために投与を中止した.

結 論

再発子宮頸癌患者において,チソツマブ ベドチンによる二次または三次治療は,化学療法よりも有効性が有意に高かった.(ジェンマブ社,シージェン社 [ファイザー社が買収] から研究助成を受けた.innovaTV 301 試験:ClinicalTrials.gov 登録番号 NCT04697628)

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2024; 391 : 44 - 55. )