The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 18, 2002
Vol. 347 No. 3

  • 心不全の診断における B 型ナトリウム利尿ペプチド
    B-Type Natriuretic Peptide in the Diagnosis of Heart Failure

    B 型ナトリウム利尿ペプチドは,血行力学的応力に反応して心室から放出され,B 型ナトリウム利尿ペプチドの血中濃度が心不全の診断に有用である可能性がある.この研究では,B 型ナトリウム利尿ペプチドの迅速なベッドサイドでの免疫測定法が,さまざまな原因による急性呼吸困難の患者における心不全の診断の確定または除外に利用された.この測定法は,心不全の診断において感度が高く,優れた特異性があった.
    B 型ナトリウム利尿ペプチド濃度の測定は,心不全に対する無比の検査ではない.臨床所見と併せて用いると,とくに急性呼吸困難の原因が不明である場合には大きな価値があるだろう.B 型ナトリウム利尿ペプチド値が低ければ(50 pg/mL 以下),心不全ではないことを示す立派な根拠となる.

  • B 型肝炎 e 抗原と肝細胞癌
    Hepatitis B e Antigen and Hepatocellular Carcinoma

    B 型肝炎 e 抗原と肝細胞癌

    台湾の男性 11,893 例を対象としたこの前向きコホート研究では,ベースラインの B 型肝炎表面抗原(HBsAg)・B 型肝炎 e 抗原(HBeAg)の有病率とその後の肝細胞癌発生との関連を検討した.組み入れ時に両抗原陰性の男性では追跡期間 10 万人-年当り 39 例,HBsAg 陽性で HBeAg 陰性の男性では 10 万人-年当り 324 例,HBsAg・HBeAg 両陽性の男性では 10 万人-年当り 1,169 例の肝細胞癌がみられた.
    慢性 B 型肝炎ウイルス感染は,肝細胞癌リスクの上昇と関連することが知られている.この研究は,HBeAg の存在とその後の肝細胞癌発生とのあいだの強い関連性を示し,抗ウイルス薬療法や肝癌早期発見のための注意深いモニタリングの候補となる高リスク患者を同定するうえで,HBeAg テストが役割を果す可能性を示唆している.

  • オステオプロテジェリン欠乏と若年性パジェット病
    Osteoprotegerin Deficiency and Juvenile Paget's Disease

    オステオプロテジェリン欠乏と若年性パジェット病

    若年性パジェット病は,常染色体劣性遺伝の骨障害であり,急速に再形成する繊維性骨,骨減少症,骨折,および進行性の骨格奇形が特徴である.分子的基盤は明らかにされていない.オステオプロテジェリンが破骨細胞分化因子のおとり受容体として機能し,骨の代謝回転を抑制することから,著者らは,血縁関係にないナバホ族の患者 2 例において,この蛋白質の遺伝子(TNFRSF11B)の突然変異の同定を試みた.ゲノム DNA のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅とそれに続く直接塩基配列決定,ならびにサザンブロットなどにより,両患者における TNFRSF11B のホモ接合型欠損が明らかになった.
    若年性パジェット病は,TNFRSF11B のホモ接合型欠損により惹起されるオステオプロテジェリン欠乏により起る.その結果,可溶性の破骨細胞分化因子の循環血中濃度が上昇する.

  • Toll 様受容体 4 の多型とアテローム発生
    Toll-like Receptor 4 Polymorphisms and Atherogenesis

    Toll 様受容体 4 の多型とアテローム発生

    Toll 様受容体 4(TLR4)は,グラム陰性細菌およびその他の病原体に対する先天免疫反応を仲介する.この研究は,受容体シグナル伝達を減弱させる,よくみられる TLR4 の多型(Asp299Gly)が,全身性感染リスクの上昇,特定の炎症マーカーの循環血中濃度の低下,およびアテローム性動脈硬化症のリスクの低下に関連していることを明らかにした.
    この知見は,炎症がアテローム性動脈硬化症の病因に関与しているという概念,および炎症反応を減弱させる遺伝的要因がアテローム性動脈硬化症のリスクを減じる可能性があるという概念を裏付けている.

  • Clinical Practice:産後うつ病
    Clinical Practice: Postpartum Depression

    女性は,産後 6 週検診のため来院した.自分の子供が眠っている時でさえも眠ることができないと訴えている.女性は毎日泣き,絶えず心配している.空腹を感じないし,規則正しく食事を摂っていない.意志決定は大変むずかしい.患者をどのように評価し,治療すべきであろうか?
    この論文では,産後うつ病を同定し,管理する方法を概説している.

  • Clinical Implications of Basic Research:行動に対する早期の遺伝的影響
    Clinical Implications of Basic Research: Early Genetic Influences on Behavior

    Clinical Implications of Basic Research:行動に対する早期の遺伝的影響

    最近発表された研究で,コロンビア大学の研究者らが,前脳セロトニン 1A 受容体がノックアウトされたマウスモデルに関して報告した.マウスは行動のある面が阻害されていた.たとえば,広い場所に置かれた場合,ノックアウトマウスは正常マウスに比べてあまり探究行動をしない.この論評で,Freedman 氏は,この刺激的な研究がヒトの行動の遺伝的制御にもたらす影響について議論する.