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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 6, 2005
Vol. 352 No. 1

ORIGINAL ARTICLES

  • 超早産児の 6 歳の時点における転帰
    Outcomes of Extremely Preterm Children at Six Years

    超早産児の 6 歳の時点における転帰

    英国またはアイルランドで,1995 年に妊娠 25 週以前に出生し,中央値 6 歳 4 ヵ月で評価を受けた小児のコホート集団において,認知・神経学的障害が多くみられた.生後 30 ヵ月で重度の障害と早期診断されたことは,小学校低学年における中等度~重度の障害の強い予測因子となった.

    認知・神経学的障害は,超早産児で多く認められる.

  • スタチン療法後の C 反応性蛋白値
    C-Reactive Protein Levels after Statin Therapy

    スタチン療法は,低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値だけでなく,炎症マーカーである C 反応性蛋白(CRP)の値も低下させる.この研究では,プラバスタチンまたはアトルバスタチンの投与を受けていた急性冠症候群患者において,LDL コレステロール値と CRP 値の低下が,その後の冠疾患リスクに与える独立した影響を検討した.CRP 値が低下するにつれ,LDL コレステロール値の低下の程度にかかわらず,冠疾患リスクが低下した.リスクが最小であった患者は,30 日間のスタチン療法後の LDL コレステロール値と CRP 値が,いずれももっとも低かった.

    これらの結果は,Nissen らの結果とともに,スタチン治療を行う患者では,コレステロール値と CRP 値の両方をモニタリングすべきであることを示している.

  • スタチン療法と冠動脈疾患の進行
    Statin Therapy and the Progression of Coronary Disease

    スタチン療法と冠動脈疾患の進行

    スタチンには,低比重リポ蛋白コレステロール値を低下させるだけでなく,炎症マーカーである C 反応性蛋白(CRP)値を低下させるなど,多面的な作用がある.この研究では,冠動脈の粥状硬化の進展または退縮におけるスタチン療法の効果は,スタチンの脂質低下作用と CRP 低下作用の両方に関連することが明らかになった.

    この結果は,スタチン系薬剤の有益な効果の一部は CRP 低下作用に由来するという概念を,さらに裏付けるものである.

  • ケニアの病院に入院した小児における菌血症
    Bacteremia among Children Admitted to a Hospital in Kenya

    スタチン療法と冠動脈疾患の進行

    ケニアのある地域病院では,入院した乳児の約 13%で入院時に菌血症が確認され,生後 60 日以上の小児全体でも,約 6%で確認された.すべての院内死亡例のうち,26%は市中感染性菌血症の乳児および小児であった.

    サハラ以南アフリカの乳児と小児を対象としたこの大規模な前向き研究は,菌血症は主要な死因であることを示している.細菌性病原体に対する既存のワクチンを使用することで,このような致死的感染の多くを予防できる可能性がある.

MEDICAL PROGRESS

  • 成人 HIV 感染者における心血管リスクと体脂肪の異常
    Cardiovascular Risk and Body-Fat Abnormalities in HIV-Infected Adults

    ヒト免疫不全ウイルスに感染し,高活性抗レトロウイルス療法を受けている成人では,異常脂質血症,インスリン抵抗性,脂肪分布の変化(皮下脂肪の減少と中心性脂肪の相対的増加)などの代謝性合併症が多くみられ,心血管疾患のリスクが上昇する可能性がある.この総説では,発症機序の解明における進展と,この集団の心血管リスクに対処するための治療戦略について論じている.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 時期に合わない発症
    Unfashionably Late

    18 歳の男性が,息切れ,透明な痰を伴う咳,2 週間にわたる胸膜炎性胸痛を呈した.男性は寝汗,発熱,倦怠感も報告したが,喀血や体重減少はみられず,最近旅行したことはなく,新たな環境曝露もなかった.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 脳卒中とアシドーシス
    Stroke and Acidosis

    脳卒中の動物モデルにおいて,酸感受性イオンチャネルは,ニューロンにおけるカルシウム流入の鍵を握るメディエータである.

HEALTH POLICY REPORT

  • 専門病院
    Specialty Hospitals

    この報告では,心臓病専門病院や整形外科病院など,医師が経営する専門病院の急増に関する,白熱した議論について検討している.総合病院の経営者たちは,専門病院は,もっとも利益の得られる患者に医療を提供し,それによって不公正に競争上の優位を得ていると主張している.2003 年の終りに,米国連邦議会は新たな専門病院の開設を 18 ヵ月間停止することを宣言した.そして間もなく,停止を解除すべきか恒久化すべきかを決定することになっている.