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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 2, 2005
Vol. 352 No. 22

ORIGINAL ARTICLE

  • 帯状疱疹予防のためのワクチン接種
    Vaccination to Prevent Herpes Zoster

    帯状疱疹予防のためのワクチン接種

    帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛の発生率は,加齢に伴い上昇する.60 歳以上の成人 38,546 例を対象にしたこの対照試験では,水痘帯状疱疹ウイルスに対する弱毒化生ワクチンの接種により,帯状疱疹後神経痛の発生率が 66.5%(プラセボとの比較で)低下し,帯状疱疹の発生率が 51.3%低下した.
    免疫原性の高い水痘帯状疱疹ワクチンの接種に関連して,局所症状が多くみられたが,重度の有害反応はみられなかった.水痘に対する免疫の強化により,帯状疱疹の発生率と重症度を低下させることができる.

  • ワルファリン投与量に対する VKORC1 変異体の影響
    Influence of Variants of VKORC1 on the Dose of Warfarin

    ビタミン K エポキシド還元酵素複合体 1 をコードする遺伝子(VKORC1)は,ワルファリンの標的であるが,患者ごとのワルファリン必要量の違いには,この遺伝子の変異が関与している可能性がある.この研究では,ヨーロッパ系米国人における VKORC1 ハプロタイプとワルファリン投与量の強い関連性が明らかになった.また,VKORC1 変異体により,祖先が異なる患者で必要量が違う理由も説明できる可能性があることも示唆される.

  • 遺伝性大腿骨頭壊死症
    Inherited Avascular Osteonecrosis of the Femoral Head

    COL2A1 は II 型コラーゲンをコードする遺伝子であり,遺伝性の大腿骨頭壊死症を有する 3 家系の罹患者では,この遺伝子に突然変異が起っていることが明らかになった.この知見から,特発性の大腿骨頭壊死症患者における COL2A1 の研究に拍車が掛かるであろう.

  • リンパ節転移陽性乳癌に対するドセタキセル補助療法
    Adjuvant Docetaxel for Node-Positive Breast Cancer

    リンパ節転移陽性乳癌に対するドセタキセル補助療法

    この無作為試験では,腋窩リンパ節転移陽性乳癌の女性約 1,500 例を対象とし,ドキソルビシン+シクロホスファミドに,フルオロウラシルまたはドセタキセルのいずれかを併用する治療法を比較した.無病生存率と全生存率は,ドセタキセル群の女性のほうが有意に高かった.
    乳癌の管理方法は,ルーチンの根治的乳房切除術をやめることに始り,この試験のように,乳癌の女性にさらに恩恵をもたらすような薬剤の新しい併用法や新薬に関する大規模な研究を続けることで,着実に向上している.

CLINICAL PRACTICE

  • アトピー性皮膚炎
    Atopic Dermatitis

    アトピー性皮膚炎

    アトピー性皮膚炎がある 10 歳の女児が,痒みを訴えている.痒みは最近激しくなり,その結果睡眠が妨げられている.母親は,副腎皮質ステロイド外用剤は皮膚に障害を与えると聞いているため,ステロイド治療を受けさせたがらない.しかし,母親は疲れ果てており,子供の症状を緩和してやりたいと願っている.この問題にどう対処すべきであろうか?

MEDICAL PROGRESS

  • ブルセラ症
    Brucellosis

    ブルセラ症は何千年も昔から存在し,主要先進国においてさえも根絶されずに残っている.発展途上国において,ブルセラ症は多数の臨床的病態の原因となるだけでなく,農業生産性の重大な低下をもたらしている.国家間の移動が普通になった現代では,ブルセラ症は先進国でよくみられる輸入疾患となっている.この総説では,この疾患の発症機序と治療について論じている.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 過去のことがよくわからない
    Don't Know Much about History

    3 ヵ月前にメキシコから米国に移住してきた 20 歳の男性が,体重減少,股関節痛,および右下背部痛を訴え,救急科を受診した.男性は数週間前から食欲減退に気付いており,いつの間にか体重が 16 kg 減っていた.