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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
October 20, 2005
Vol. 353 No. 16
ORIGINAL ARTICLE
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HER2 陽性乳癌患者に対する化学療法後のトラスツズマブ
Trastuzumab after Chemotherapy in HER2-Positive Breast Cancer早期 HER2 陽性乳癌の外科的切除と補助化学療法後に,HER2 に対するモノクローナル抗体,トラスツズマブを投与したところ,経過観察よりも無病生存期間が長かった.
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手術可能な HER2 陽性乳癌に対するトラスツズマブと補助化学療法の併用
Trastuzumab plus Adjuvant Chemotherapy for Operable HER2-Positive Breast Cancer2 つの大規模試験を組み合せた分析から,ドキソルビシン+シクロホスファミドにパクリタキセルを加えた化学療法に,さらにトラスツズマブを追加すると,手術可能な HER2 陽性乳癌の女性の転帰が改善することが明らかになった.
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急性肺損傷の発生率と転帰
Incidence and Outcomes of Acute Lung Injury急性肺損傷は,低酸素性呼吸不全と両側性肺浸潤をきたす症候群である.この住民ベースの前向き研究では,急性肺損傷の発生率は 10 万人‐年当り 79 例であった.著者らは,米国では急性肺損傷が毎年 19 万例発生し,これにより 7 万 5 千例が死亡すると推定している.このことから,公衆衛生に及ぼす影響はこれまでの報告よりもはるかに大きいことが示唆される.
BRIEF REPORT
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Williams-Beuren 遺伝子座の重複に関連する発語失行
Apraxia of Speech Related to Williams-Beuren Locus Duplicationある患者に,Williams-Beuren 症候群患者で典型的に欠失している染色体領域の完全な重複がみられ,患者は重度の発達性発語失行を呈している.この知見から,重複領域に存在する 1 つ以上の遺伝子が,ヒトの言語に影響を及ぼすことが示唆される.
CLINICAL PRACTICE
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HIV 感染の初期管理
Initial Management of HIV Infectionそれまで健康であった 25 歳の女性が,保険加入のための通常検診の一環として受けたヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)抗体検査で,陽性であることが判明した.この女性の HIV 感染のリスク因子は,異性との接触のみである.症状はなく,身体診察の結果は正常である.通常の血液学的検査と臨床検査の結果も正常である.CD4 細胞数は 325/mm3,血漿中 HIV-1 RNA 量は 60,000 コピー/mL である.この症例をどのように管理すべきであろうか?
MECHANISMS OF DISEASE
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グルココルチコイドの抗炎症作用
Antiinflammatory Action of Glucocorticoidsグルココルチコイドは医療現場でもっとも多く利用されている治療薬の 1 つであるが,その作用機序は部分的にしか解明されていない.この総説では,グルココルチコイドの抗炎症作用や副作用の機序について,現在の解釈を概説している.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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妊娠を望む HIV 陽性の女性
An HIV-Positive Woman Who Desired to Become Pregnantヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染し,9 年間にわたって症状のなかった 34 歳の女性が妊娠を望んでいる.女性は抗レトロウイルス療法を受けていないが,CD4 T 細胞数は安定していた.女性には,ヒトパピローマウイルス感染と子宮頸部異形成の既往があった.産科医と感染症の専門家が,HIV 感染の管理と妊娠について論じている.