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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 24, 2005
Vol. 353 No. 21

ORIGINAL ARTICLE

  • ループス腎炎に対するミコフェノール酸モフェチルとシクロホスファミドの比較
    Mycophenolate Mofetil or Cyclophosphamide for Lupus Nephritis

    この 24 週間の無作為非盲検非劣性試験では,活動性ループス腎炎に対する寛解導入療法として,ミコフェノール酸モフェチルの経口投与と月 1 回のシクロホスファミドの静脈内投与を比較した.ミコフェノール酸モフェチルは,シクロホスファミドの静脈内投与よりも,ループス腎炎の寛解を誘導するうえで有効であり,安全性プロファイルも良好であった.

  • 特発性肺線維症における高用量アセチルシステイン
    High-Dose Acetylcysteine in Idiopathic Pulmonary Fibrosis

    特発性肺線維症は肺機能の低下を特徴とする進行性疾患で,有効な治療法がない.この多国間共同無作為プラセボ対照試験では,患者全員がアザチオプリンとプレドニゾンの投与を受けており,アセチルシステインにより肺機能の悪化が遅延することが示された.生存率に対する効果はみられなかった.

  • 神経芽細胞腫における染色体 1p,11q の欠失と転帰
    Chromosome 1p and 11q Deletions and Outcome in Neuroblastoma

    900 個超の神経芽細胞腫検体について,1p36,11q23 の 2 座位における染色体欠失のスクリーニングを行った.これらの異常は,高リスクとされる神経芽細胞腫の疾患特性や,不良な臨床転帰と関連していた.

  • 肝硬変患者の食道胃静脈瘤予防のための β 遮断薬
    Beta-Blockers to Prevent Gastroesophageal Varices in Patients with Cirrhosis

    β 遮断薬は,すでに食道静脈瘤を有している肝硬変患者の静脈瘤出血を予防する.この無作為プラセボ対照試験では,チモロール(非選択的 β 遮断薬)の投与で,門脈圧亢進を伴う肝硬変患者の食道静脈瘤は予防されなかった.

CURRENT CONCEPTS

  • 基底細胞癌
    Basal-Cell Carcinoma

    基底細胞癌はもっともよくみられる悪性腫瘍であり,その発生率は上昇しつつある.この総説では,4 つの術式,局所療法,光線力学療法,放射線照射などの治療選択肢について説明している.また,基底細胞癌の発症機序に関する最近の研究についても概説している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 発作,歩行障害,精神状態の変調をきたす女性
    A Woman with Seizure, Disturbed Gait, and Altered Mental Status

    それまで健康であった 62 歳の女性が発作を起し,続いて持続的な失語症状を呈した.画像検査では,T2 強調画像と拡散強調画像で皮質と白質に高信号病変が認められたが,血流は正常であった.脳生検では虚血に一致する変化が認められた.続く 1 年間に聴力損失が生じ,徐々に進行する痴呆(認知症)がみられた.診断検査が行われた.

LEGAL ISSUES IN MEDICINE

  • カリフォルニア州の医療大麻法
    California's Medical-Marijuana Law

    先ごろ米連邦最高裁判所は,自家栽培された大麻の医療使用について,カリフォルニア州などその使用がすでに法的に認められている州に対しても,通商条項のもとで議会が禁止する権限をもつと裁定した.この論文では,George Annas が,最高裁の裁定について理論的根拠を説明しており,この判例の影響についても論じている.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 腸管の成長を促す
    Inducing Intestinal Growth

    腸管の成長を促進させる蛋白が新たに発見された.このシステムの操作は,腸疾患の治療上意味をもつ可能性がある.