- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
July 28, 2005
Vol. 353 No. 4
ORIGINAL ARTICLE
-
ライノウイルス感染に対するエキナセア
Echinacea for Rhinovirus InfectionsEchinacea angustifolia 根から抽出した化学的に明確な製剤またはプラセボを,ライノウイルスの接種前または接種後にボランティア 399 例に投与した.この厳正に実施された対照試験では,エキナセアが風邪の治療または予防に有効であるという証拠は得られなかった.
-
周術期の β 遮断薬と心リスク
Perioperative Beta-Blockade and Cardiac Risk心臓以外の大手術を受けた患者を対象としたこの大規模な後ろ向きコホート研究では,周術期に β 遮断薬を使用することで,高リスク患者の院内死亡リスクが有意に低下したが,低リスク患者では低下しなかった.これらのデータは,高リスク患者の周術期における,β 遮断薬の広範な使用に関する勧告を支持するものであり,大規模な無作為試験で確認する必要がある.
BRIEF REPORT
-
クローン病患者における PML
PML in a Patient with Crohn's Diseaseナタリズマブ(natalizumab)で治療を受け,その後死亡したクローン病の男性において,再検討した結果,致死的な病変は進行性多巣性白質脳症(PML)であり,星細胞腫ではなかったことが判明した.連続的に採取した血清検体の分析では,ナタリズマブによる治療の開始から約 3 ヵ月後にはじめて JC ウイルスが出現していたことが示された.
-
多発性硬化症の治療中に発症した PML
PML during Treatment for Multiple Sclerosis多発性硬化症の 46 歳の女性が,臨床試験の一環としてナタリズマブ(natalizumab)とインターフェロン β-1a の投与を 37 回受けたあと,進行性多巣性白質脳症(PML)を発症して死亡した.剖検では,びまん性の肉眼的・顕微鏡的 PML 病変が認められた.死亡前に採取した脳脊髄液と剖検時に採取した脳組織から,JC ウイルスが同定された.広範な壊死と空洞形成がみられたが,炎症反応は認められなかった.
-
多発性硬化症に対するナタリズマブ投与後の PML
PML after Natalizumab for Multiple Sclerosisインターフェロン β-1a とナタリズマブ(natalizumab)の投与を受けていた多発性硬化症の男性が,進行性多巣性白質脳症(PML)を発症した.その後四肢不全麻痺と全失語が出現し,わずかな反応を示すのみとなった.ナタリズマブの投与を中止してから 3 ヵ月後,シタラビン投与によって男性は意識清明となり,コミュニケーションが可能となったが,神経の障害は残った.
SPECIAL ARTICLE
-
米国の小児における健康保険加入期間の中断
Discontinuous Health Insurance Coverage of Children in the United States2000 年と 2001 年の米国国民健康調査データから,著者らは,調査前の 12 ヵ月間について,米国の小児の 6.6%が無保険で,さらに 7.7%が一部の期間しか保険に加入していないと推定している.年間を通じて無保険か,または一部の期間しか保険に加入していなかった小児は,必要な医療を受けずに済ませる可能性が,通年で保険に加入している小児よりもはるかに高かった.
CLINICAL PRACTICE
-
頸部神経根症
Cervical Radiculopathy37 歳の女性が,2 週間にわたる重度の頸部痛を呈している.痛みは左肩甲帯に広がり,上腕,前腕,手背にまで及んでいる.診察では,左上腕三頭筋,指伸筋,手根屈筋の脱力,第三指の感覚鈍麻および三頭筋反射の減退が認められている.この症例をどのように管理すべきであろうか?
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
-
肝臓に腫瘤を有する男性
A Man with a Mass in the Liver慢性活動性 HBV に感染した 57 歳の男性に,定期スクリーニング検査で腫瘤が発見された.穿刺吸引細胞診の結果,肝細胞癌が示唆された.さまざまな分野の専門家グループが病態生理と管理について討論している.