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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 11, 2006
Vol. 354 No. 19

ORIGINAL ARTICLES

  • 就学前の小児における吸入副腎皮質ステロイドと喘息
    Inhaled Corticosteroids and Asthma in Preschool Children

    親が喘息で,喘鳴がみられるようになった小児は喘息リスクが高い.NIH が資金提供したこの試験では,登録時に 2~3 歳であった小児に,プラセボまたは吸入副腎皮質ステロイドを 2 年間投与した.患児の喘息コントロールは,副腎皮質ステロイド投与中は良好であったが,投与中止後は改善しなかった.

  • 喘鳴を呈する乳児における吸入副腎皮質ステロイド
    Inhaled Corticosteroids in Infants with Wheezing

    喘息リスクの高い小児を,生後 1 ヵ月以降の初回およびその後の喘鳴エピソード後に,吸入ブデソニドまたはプラセボを 2 週間投与する群に割付けた.3 年後,喘息および肺機能の評価項目に関して,両群で差は認められなかった.

  • メシル酸イマチニブ投与患者における骨代謝およびミネラル代謝の変化
    Altered Bone and Mineral Metabolism in Patients Receiving Imatinib

    イマチニブを服用している慢性骨髄性白血病患者と消化管間質腫瘍患者の一部に,骨代謝およびミネラル代謝の変化を伴う低リン血症が発現した.イマチニブは,両疾患と関連する複数のチロシンキナーゼを阻害する.したがって,イマチニブは一部の患者で骨リモデリングを阻害する可能性がある.

  • 腎移植の長期成績にドナーの C3 アロタイプが及ぼす影響
    Influence of Donor C3 Allotype on Late Renal-Transplantation Outcome

    補体の成分である C3 には,主に 2 つのアロタイプ,F(Fast)と S(Slow)が存在するが,これらは炎症性疾患の発生率に影響している.この研究では,腎ドナーおよびレシピエントの C3 アロタイプと移植後の腎機能との関連を検討し,ドナーの C3F,C3S 対立遺伝子が機能的差異をもつ可能性が示唆されている.

SPECIAL ARTICLE

  • 医療過誤訴訟における損害賠償請求,過誤,賠償
    Claims, Errors, and Compensation in Medical Malpractice Litigation

    米国の医療過誤システムに多額の費用がかかる主な原因として,「取るに足らない」訴訟が取り上げられている.判決済みの賠償請求 1,452 件に関するこの全米調査において,審査者の医師は,37%に医療過誤の証拠がないことを明らかにしたが,その大半において原告への支払いはなかった.過誤に関連しない賠償請求が総費用に占めた割合は,13~16%であった.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 系統特異的な造血成長因子
    Lineage-Specific Hematopoietic Growth Factors

    この総説では,エリスロポエチン,顆粒球コロニー刺激因子,トロンボポエチンという 3 つの造血成長因子について,そのメカニズムと臨床応用を概説している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 貧血と鉄過剰を呈する女性
    A Woman with Anemia and Iron Overload

    若年女性が,貧血と鉄貯蔵量増加の所見が認められたため受診した.女性はイタリア系で,父親,父方のおば,姉妹の 1 人がダイアモンド–ブラックファン貧血で,母親は βサラセミアの形質があるといわれたことがあった.

SOUNDING BOARD

  • 患者の安全を求める権利 ― 病院に対する訴訟で医療の質を向上させる
    The Patient's Right to Safety ― Improving the Quality of Care through Litigation against Hospitals

    医療過誤報告システムは病院をより安全にするためのものであるが,多くの専門家は,医療過誤訴訟の脅威がその利用を妨げていると考えている.Annas は,訴訟を減らすのではなく,ふやすことが必要であると主張している.裁判所は安全を求める権利を認識すべきであると Annas は考えており,そうすれば,避けられるミスによって患者が被害を受けた場合,安全性向上のための措置を怠っている病院を訴えることができるという.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 大動脈瘤のメディエータ?
    A Mediator of Aortic Aneurysm?

    ある研究で,2 種類のモデルマウスにおいて,ある転写因子が大動脈瘤の鍵を握るメディエータとして関与していることが示されている.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • 関節穿刺
    Arthrocentesis

    関節穿刺

    関節穿刺は,急性単関節炎や多発性関節炎の原因を確定するために使用される.大量の滲出液や関節内出血の排出,ステロイド薬や局所麻酔薬の点滴注入を行う場合にも用いられる.この手技ビデオでは,関節穿刺の施行方法を実演する.