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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

June 15, 2006
Vol. 354 No. 24

ORIGINAL ARTICLE

  • イマチニブ抵抗性のフィラデルフィア染色体陽性白血病におけるダサチニブ
    Dasatinib in Imatinib-Resistant Philadelphia Chromosome-Positive Leukemias

    慢性骨髄性白血病では,BCR-ABL 遺伝子のキナーゼ結合ドメインにおける変異により,BCR-ABL チロシンキナーゼ阻害薬イマチニブに対する抵抗性が生じる.この研究では,大部分のイマチニブ抵抗性 BCR-ABL 変異を標的とする BCR-ABL 阻害薬,ダサチニブが,イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に有効であることが明らかになった.

  • イマチニブ抵抗性の CML とフィラデルフィア染色体陽性 ALL に対するニロチニブ
    Nilotinib in Imatinib-Resistant CML and Philadelphia Chromosome-Positive ALL

    この第 1 相試験では,イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病(CML)患者 119 例に対し,BCR-ABL チロシンキナーゼ阻害薬,ニロチニブを投与した.この薬剤は,安全性プロファイルが比較的良好であり,イマチニブ抵抗性の,急性転化期・増悪期 CML 患者および慢性期 CML 患者に対して有効であった.

  • レチノール結合蛋白 4 とインスリン抵抗性
    Retinol-Binding Protein 4 and Insulin Resistance

    脂肪細胞から分泌される分子,レチノール結合蛋白 4 の血清濃度は,肥満で,耐糖能異常あるいは 2 型糖尿病の被験者と,2 型糖尿病の強い家族歴があり,肥満や糖尿病でない被験者において,インスリン抵抗性の程度と相関していた.この分子は,明らかな糖尿病が発現する前に血清濃度が上昇すると考えられ,インスリン抵抗性や関連する心血管危険因子を特定するために利用できる可能性がある.

  • 急性肺損傷における 2 種類の体液管理法の比較
    Comparison of Two Fluid-Management Strategies in Acute Lung Injury

    急性肺損傷の特徴の 1 つは,非心原性の肺水腫である.急性肺損傷の管理について,進歩的な体液管理法(大量輸液)と保守的な体液管理法(利尿と水分制限)が議論されている.この試験では,いずれの手法も死亡率に関して優位性は示されなかったが,保守的な体液管理法の臨床的・生理学的有効性が認められた.

CLINICAL PRACTICE

  • 特発性低身長
    Idiopathic Short Stature

    健康で活発な 12 歳の少年.身長が 1 パーセンタイル未満(133.0 cm [52.4 インチ],-2.25 SD),体重が 3 パーセンタイル未満(29 kg [64 ポンド])である.少年の身体所見に特筆すべき点はなく,身長と体重の釣り合いは正常で,思春期の徴候は認められない.骨年齢は 10 歳である.両親の身長の平均は 164.5 cm(64.8 インチ)で,少年の予測身長は 163.8 cm(64.5 インチ)である.成長ホルモン療法の適応であろうか?

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 下肢に麻痺と脱力を呈する女性
    A Woman with Numbness and Weakness of the Feet and Legs

    57 歳の女性が,30 代の初めから,下肢に進行性の麻痺と脱力を呈していた.女性には思春期から,瞳孔の拡張,固定,不同があった.女性の父親には下肢に類似の症状がみられ,瞳孔拡張と性交不能が認められた.女性の兄弟のうち 2 人と,息子,娘には,神経障害,瞳孔拡張,あるいはその両方が認められた.診断検査が実施された.

HEALTH POLICY REPORT

  • 肥満 ― 公衆衛生法の新たなフロンティア
    Obesity ― The New Frontier of Public Health Law

    成人および小児において肥満の有病率が増加していることから,この公衆衛生問題と闘うための法的イニシアチブの策定がすすめられている.著者らは,肥満を対象とした訴訟および立法について述べ,公衆衛生法が米国内の肥満を減少させる可能性について議論している.