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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

January 18, 2007
Vol. 356 No. 3

ORIGINAL ARTICLE

  • 遺伝子特性と乳癌およびその他の癌における転帰
    A Gene Signature and Outcome in Breast and Other Cancers

    少数の特殊な乳癌細胞を免疫不全マウスに注入すると,乳癌全体が再現する可能性がある.これらの細胞は特異な遺伝子群を発現しているが,この遺伝子群が乳癌患者で発現した場合,転帰不良が予測される.驚くべきことに,この遺伝子群は前立腺癌,肺癌,髄芽腫においても発現する.この遺伝子群は,一連の腫瘍の侵襲性と関連がある.

  • マンモグラフィ濃度と乳癌のリスク
    Mammographic Density and the Risk of Breast Cancer

    マンモグラム上の上皮と間質の白っぽく見える部分(マンモグラフィ濃度)には,癌が隠れている可能性がある.この問題を慎重に調査した結果,マンモグラ フィ上の高濃度は,乳癌の重大な危険因子であることが明らかになった.

  • レプチン受容体遺伝子における変異の保有率と影響
    Prevalence and Effects of Mutations in the Leptin-Receptor Gene

    早期発症型肥満,過食症,血縁家系によって選択された 300 例のうち,8 例にレプチン受容体遺伝子(LEPR)の変異が認められた.異常が認められた被験者の生化学的・臨床的分析から,血清レプチン濃度の測定は,LEPR 変異の適切なスクリーニング法ではないこと,また,ヒトのレプチン受容体は LEPR 蛋白生成物だけではない可能性があることが示された.

  • 鼓膜チューブと 9~11 歳の時点での発達上の転帰
    Tympanostomy Tubes and Developmental Outcomes at 9 to 11 Years of Age

    この研究で著者らは,中耳の滲出液が持続する以外は健常な小児の長期観察結果を報告している.小児には,無作為化試験や別個の観察コホート研究の一部として,鼓膜チューブを早期に挿入するか,滲出液が持続した場合に待機的に挿入した.鼓膜チューブの早期挿入により 9~11 歳の発達上の転帰は改善しなかった.この知見は 6 歳までの結果と一致しており,中耳の滲出液が持続する小児に対する経過観察をさらに推奨するものである.

CURRENT CONCEPTS

  • 国際的な航空患者搬送
    International Aeromedical Evacuation

    毎年数千件もの航空機による患者搬送が行われている.高齢者や慢性疾患のある旅行者が増加し,また,旅行中に外傷や感染症が発生しても信頼できる医療が受けられない地域への旅行が多くなっている.この総説では,航空患者搬送の適応に加え,その方法,安全性の検討,そして病人や負傷者の機内でのケアの原則について説明している.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 分娩
    Parturition

    早期産は,乳児の高い死亡率と罹患率に関連している.この総説では,分娩の開始には,母親と胎児の分子レベルでの協調が必要であることを強調している.これら分子機序の理解は,早期産の原因を理解し予防するために不可欠である.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 腕に色素性病変を有する女性
    A Woman with a Pigmented Lesion on the Arm

    49 歳の女性が,皮膚黒色腫の治療について相談するため受診した.女性は他施設で上腕の色素性病変の切除を受けており,病変の厚さは 0.91 mm で,垂直増殖期の表在拡大型悪性黒色腫と診断された.センチネルリンパ節生検により,2 つのリンパ節のうちの 1 つに腫瘍細胞巣が見つかった.治療に関する決定がなされた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 電位勾配による創傷治癒
    Wound Healing with Electric Potential

    化学的勾配に応答して細胞遊走を媒介する分子は,創傷治癒において電位勾配にも応答して遊走を媒介する.