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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
January 25, 2007
Vol. 356 No. 4
ORIGINAL ARTICLE
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移植片対宿主病におけるポサコナゾールとフルコナゾールの比較
Posaconazole or Fluconazole in Graft-versus-Host Disease侵襲性真菌感染の予防投与に関するこの無作為化二重盲検試験は,造血幹細胞移植後の重度の移植片対宿主病患者 600 例を対象に実施された.ポサコナゾールは広域スペクトルをもつトリアゾールであり,侵襲性真菌感染の予防においてフルコナゾールと同等の効果があった(発生率は 5.3%と 9.0%).ポサコナゾールでは,侵襲性アスペルギルス症の発生数がより少なかった.
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好中球減少症患者におけるポサコナゾールの予防投与
Posaconazole Prophylaxis in Patients with Neutropenia急性骨髄性白血病または骨髄異形成症候群に対する治療を受けている患者を対象としたこの無作為化試験では,ポサコナゾールの予防投与を受けた患者では,フルコナゾールやイトラコナゾールの予防投与を受けた患者よりも真菌感染が少なく,生存期間が長かった.この差は主に,ポサコナゾール群において侵襲性アスペルギルス症の発生率が低いことによるものであった.
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症候性子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術と手術の比較
Uterine-Artery Embolization versus Surgery for Symptomatic Fibroidsこの多施設共同無作為化試験では,症候性子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術と手術の転帰を比較した結果,1 年後の QOL に両群間で差は認められなかった.塞栓術を受けた女性のほうが,入院期間および日常生活へ復帰するまでの期間は短くなったが,有害転帰のために再入院を必要とする頻度や治療失敗のために再治療を必要とする頻度が高くなる傾向にあった.
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抗ミエリン抗体と多発性硬化症への進行との関連性の欠如
Lack of Association between Antimyelin Antibodies and Progression to Multiple Sclerosis本誌に報告された先行研究では,多発生硬化症の診断は下せないがそれを示唆する神経異常の初回エピソードがみられた患者において,血清抗ミエリン抗体(ウエスタンブロット法で検出)と多発性硬化症のリスク増加とのあいだに関連が示された.462 例を対象とした今回の前向き研究では,これらの知見は再現されず,それどころかミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白やミエリン塩基性蛋白に対する血清抗体は,臨床的に明確な多発性硬化症への進行のリスク増加とは関連しないことが示された.
CLINICAL PRACTICE
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体外受精
In Vitro Fertilization妊娠歴のない 37 歳の女性とその 40 歳の夫が,この 3 年間妊娠を試みている.不妊検査では不妊の原因は見つからなかった.女性の排卵は定期的にあり,子宮卵管造影でも生殖管は解剖学的に正常であった.夫の精子数は正常であるが,自分の子をもったことはない.夫婦は失望し,体外受精に取り組みたいと希望している.どのような助言をすべきであろうか?
MEDICAL EDUCATION
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医学教育における評価
Assessment in Medical Education医学教育シリーズのこの論文では,一般に用いられる評価方法と新たな評価方法について,その概念的枠組みと簡潔な最新情報を提供し,各方法の長所と限界について論じている.さらに,専門的能力と実績の評価における主な課題をいくつか示している.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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呼吸不全を繰り返す 3 歳の男児
A 3-Year-Old Boy with Recurrent Episodes of Respiratory Insufficiency3 歳の男児が,呼吸不全を繰り返したため入院した.喘鳴は生後 9 ヵ月で発現した.2 歳から 3 歳のあいだに,集中治療室への入院を要する頻呼吸および低酸素血症を 3 回発症し,うち 2 回では気管内挿管と補助換気が行われた.これらのエピソードは,貧血および肺浸潤と関連していた.診断検査が行われた.