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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 8, 2007
Vol. 357 No. 19

ORIGINAL ARTICLE

  • 未熟児無呼吸発作に対するカフェインの効果
    Effects of Caffeine for Apnea of Prematurity

    未熟児無呼吸発作の治療にカフェインを用いることで,気管支肺異形成症のリスクが低下することが以前の報告で示されたが,カフェインが神経発達や成長に長期的な影響を及ぼすかどうかは明らかでない.このプラセボ対照無作為化試験では,カフェインを用いた治療により,18~21 ヵ月の時点における神経発達障害を伴わない生存率が有意に改善した.

  • ウイルス抗原およびワクチン抗原に対する液性免疫
    Humoral Immunity to Viral and Vaccine Antigens

    この研究では,ワクチン接種後または自然感染後の液性免疫について,一般的な数種の病原体を対象に評価した.水痘帯状疱疹ウイルス,麻疹,流行性耳下腺炎に対する抗体は長期にわたり存続したが(推定半減期は 50 年以上),破傷風およびジフテリアに対する抗体の存続期間は短かった(推定半減期はそれぞれ 11 年と 19 年).抗体価は,末梢血中の記憶 B 細胞とほとんど相関しなかった.

  • 早期ホジキン病に対する化学療法と浸潤領域への放射線療法の併用
    Chemotherapy plus Involved-Field Radiation in Early-Stage Hodgkin's Disease

    この大規模試験によると,予後良好の危険因子を有する限局性病変の病期の横隔膜上ホジキン病患者では,化学療法+浸潤領域への放射線療法のほうが,亜全リンパ節照射単独療法よりも治療成績が優れていた.予後不良の危険因子を有する早期ホジキン病患者では,限定的な化学療法は,より積極的な治療コースと同等の効果を示した.

  • 先天性心疾患を有する新生児における脳発達の異常
    Abnormal Brain Development in Newborns with Congenital Heart Disease

    外科的修復に成功した先天性心疾患児には,神経発達の異常がよくみられる.今回行われた先天性疾患を有する満期産の新生児 41 例と対照新生児 16 例の比較により,脳成熟の異常は心臓手術を行う前に認められることが示された.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • うつ病に対する電気けいれん療法
    Electroconvulsive Therapy for Depression

    重度のうつ病で精神病性症状を伴う 82 歳の女性が,電気けいれん療法の検討のため紹介されている.女性には,啼泣発作,日常活動への興味の喪失,不眠,食欲不振と体重減少,集中力の減退,無力感と絶望感,自殺念慮といった大うつ病のエピソードのうち 4 つが認められている.

CURRENT CONCEPTS

  • 早産後の慢性肺疾患
    Chronic Lung Disease after Premature Birth

    気管支肺異形成症は,乳児にもっとも多くみられる慢性肺疾患となっている.慢性肺障害は,未熟児に人工換気と酸素補給を行った数十年後に臨床的に問題となる可能性があるが,この総説ではそのパターンと病因を概説する

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 耳痛,発語困難,精神の変調をきたした 77 歳の男性
    A 77-Year-Old Man with Ear Pain, Difficulty Speaking, and Altered Mental Status

    77 歳の男性が,発語困難と精神の変調のため入院した.入院の前日に顔面右側と右耳に疼痛を発現するまで,健康状態は良好であった.数日前,男性は歩道で転倒し頭を打った.診察時に男性は無気力で意味不明なことを話し,右外耳道には乾いた血液が認められた.頭部 CT スキャンで気脳症および右乳突蜂巣の混濁が明らかになった.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 男性の肝細胞癌
    Hepatocellular Carcinoma in Men

    肝細胞癌の有病率は,男性より女性のほうが低い.モデルマウスによる最近の研究では,エストロゲンが肝細胞癌を誘発する経路を阻害することが示され,それが男女で有病率に差が生じる主な原因となっている可能性のあることが示唆されている.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • 膿瘍の切開とドレナージ
    Abscess Incision and Drainage

    膿瘍の切開とドレナージ

    皮膚膿瘍を含む皮膚や軟部組織の感染は,プライマリケアや救急部門において多くみられる.このビデオでは,基本的な適応症と禁忌を取り上げ,皮膚膿瘍の切開およびドレナージの技術を実演している.