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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
December 13, 2007
Vol. 357 No. 24
ORIGINAL ARTICLES
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細菌性髄膜炎に対するデキサメタゾン
Dexamethasone for Bacterial Meningitis髄膜炎に罹患したベトナムの青年および成人 435 例を対象としたこの無作為化プラセボ対照試験では,デキサメタゾンを補助的に使用しても,6 ヵ月の時点の死亡率と身体障害の発生率はいずれも低下しなかった.サブグループ解析では,細菌性髄膜炎の確定例で治療の利益が認められたが,ほぼ確実例では有害であることが明らかにされた.
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サハラ以南アフリカにおける成人 HIV 感染患者の髄膜炎に対するコルチコステロイド投与
Corticosteroids for Meningitis in Adults with HIV in Sub-Saharan Africa細菌性髄膜炎は,高い障害の合併率と死亡率を伴う.マラウイの急性髄膜炎患者 465 例(90%が HIV 陽性)を対象としたこの無作為化二重盲検試験では,障害の発生率および死亡率は,いずれもセフトリアキソンの静脈内投与群と筋肉内投与群とで有意差はなく,コルチコステロイド投与群と非投与群のあいだでも有意差はなかった.
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顔面部分移植後の成績
Outcomes after Partial Face Transplantationこの論文では,重度の顔面外傷後,最初のヒト顔面同種移植を受けた患者の 18 ヵ月間の追跡調査を報告している.患者の感覚(軽い接触および温度に対して)と運動機能は回復し,顔の感情表現も回復した.拒絶反応を 2 回認めたが,いずれも回復に成功した.患者は結果に満足していると報告している.
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心臓再同期療法
Cardiac-Resynchronization Therapy心臓再同期療法は,QRS 幅の広い心不全患者において有益であるが,新しい臨床試験では,QRS 幅が正常な心不全患者には有益ではないことが示された.この結果により,侵襲的で費用のかかるこの治療は,利益がもっとも得られる患者に向けられることになるであろう.
CLINICAL PRACTICE
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勃起不全
Erectile Dysfunction65 歳の男性が外来クリニックを受診し,性交のための十分な勃起が維持できないと訴えた.男性には,適切に管理されている高血圧と安定冠動脈疾患の既往がある.男性は 1 日 1 箱喫煙し,アテノロールと低用量アスピリンなどを服用している.身体診察では男性の BMI は 31 で,生殖器の外観は正常であり,体毛も失われていない.この男性をどのように評価し,治療すべきであろうか?
MECHANISMS OF DISEASE
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血小板とアテローム血栓症
Platelets and Atherothrombosisアテローム血栓症における血小板の役割に関するこの総説では,この小さな無核細胞の驚くほど多彩な働きを明らかにし,アテローム血栓症の炎症性要素への関与を強く主張している.また,現在臨床で用いられている抗血小板薬によるアテローム血栓症の予防に関する情報を紹介している.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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有痛性の潰瘍性皮膚病変を呈する女性
A Woman with Painful, Ulcerated Skin Lesions44 歳の女性が,全身性の疼痛を伴う潰瘍性皮膚病変のため入院した.入院の 4 年前,全身に角化性の病変が現れた際には,治療への反応は不良であった.生検標本で,扁平上皮癌と診断された.入院の 3 ヵ月前,ミコフェノール酸モフェチルの投与が開始され,一部の病変は退縮したが,1 ヵ月後,中心部に壊死と潰瘍形成が認められる,新たな有痛性の小結節とプラークが発現した.
SOUNDING BOARD
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医療労働力と HIV 感染の蔓延
The Health Workforce and the HIV Epidemic著者らは,世界的な医療従事者不足と,HIV 感染患者の治療に当たる人材の不足について述べている.専門性のより低い職員に業務を委任すること(業務委譲)の有益性を示すエビデンスを見直し,医師や看護師が足りていない国々では,このような方法を推し進めることを推奨している.
VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE
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鎖骨下静脈カテーテルの留置
Subclavian Catheterization中心静脈カテーテルの留置は,中心静脈圧の継続的なモニタリングと,緊急時に使用する薬剤や腐食剤の送達のために用いられる.このビデオでは,カテーテルを鎖骨下静脈内に留置する技術を実演し,考えられる合併症をどのように回避するかを考察している.