The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 26, 2007
Vol. 357 No. 4

ORIGINAL ARTICLE

  • 細気管支炎に対するデキサメタゾン
    Dexamethasone for Bronchiolitis

    喘鳴の初回エピソードにより細気管支炎と診断された幼児は,経口デキサメタゾンで治療されることが多い.この試験では,細気管支炎で喘息の既往のない小児に,デキサメタゾンまたはプラセボを経口投与した.両群の転帰に,臨床的な有意差は認められなかった.

  • 転移性胚細胞腫瘍に対する救済療法
    Salvage Therapy for Metastatic Germ-Cell Tumors

    この論文は,シスプラチンを主体とした化学療法が奏効しなかった転移性精巣腫瘍の患者に関する,単一施設での治療経験についてまとめている.大量化学療法と造血幹細胞移植を併用することで,このような症例が治癒する可能性がある.

  • B 型大動脈解離患者における偽腔の部分的血栓化
    Partial Thrombosis of the False Lumen in Type B Aortic Dissection

    急性 B 型大動脈解離患者 201 例のコホートについて,大動脈偽腔の状態を,開存,部分的血栓化,完全血栓化のいずれかで分類した.部分的血栓化例では 3 年の時点での死亡率が有意に高かった.

  • 結腸直腸癌におけるロフェコキシブの毒性
    Toxicity of Rofecoxib in Colorectal Cancer

    この臨床試験では,ロフェコキシブ(25 mg/日)による結腸直腸癌再発予防が検討された.治療期間の中央値はわずか 7.4 ヵ月であったが,ロフェコキシブ療法は,心血管系の有害事象リスク増加と関連していた(プラセボと比較した相対リスク 2.66,P=0.04).この結果は,ロフェコキシブによる治療は,短期間であっても心血管毒性をもたらす可能性があることを示している.

SPECIAL ARTICLE

  • 大規模な社会的ネットワークにおける肥満の拡大
    The Spread of Obesity in a Large Social Network

    この論文では,人から人への肥満の拡大を米国における肥満の拡大に寄与する可能性のある因子とみなし,フラミンガム心臓研究の一環として 1971~2003 年に実施された繰り返し評価を用いて,緊密に関連し合う社会的ネットワークについて分析している.社会的ネットワーク現象は肥満と関連しているとみられ,肥満は社会的つながりを通して拡大すると考えられる.

CLINICAL PRACTICE

  • MRSA による皮膚および軟部組織の感染
    MRSA Skin and Soft-Tissue Infections

    37 歳の男性が,左脚膝下の限局性の腫脹と圧痛のため来院した.患者はクモによる咬傷を疑っていた.診察したところ,発赤と熱感を伴う 5 cm×7 cm の病変が認められた.壊死したわずかな皮膚が,中央の,内部が柔らかい 2 cm×2 cm の部位をおおっていた.体温は 38.3℃,脈拍は 1 分間に 115 回,血圧は 116/78 mmHg であった.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 骨痛,皮疹,歯肉肥厚を呈する男児
    A Boy with Bone Pain, Rash, and Gingival Hypertrophy

    9 歳の自閉症の男児が,股関節痛,皮疹,歯肉の腫脹のため入院した.患者には 3 ヵ月前に右股関節の疼痛が生じ,やがて歩くのを嫌がるようになった.身体診察では関節の腫脹は発見されず,骨盤と脊椎の X 線所見は正常であった.インドメタシンが処方され,疼痛は改善したが,脚部の点状出血と歯肉の腫脹は悪化した.

HEALTH LAW, ETHICS, AND HUMAN RIGHTS

  • 癌と憲法
    Cancer and the Constitution

    Abigail Alliance for Better Access to Developmental Drugs は,未承認薬の販売を禁止する FDA の方針に異議を唱え,末期の癌患者は第 1 相試験以降の実験的治療に参加できるようにすべきだとして FDA を訴えた.著者はこの事例を検討し,Abigail Alliance に有利な判決が出るとは考えにくいとする理由を説明している.

VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE

  • フェイスマスクとバッグ・バルブ装置による換気
    Face Mask and Bag-Valve Ventilation

    フェイスマスクとバッグ・バルブ装置による換気

    バッグ・バルブ装置による陽圧換気の実施は,救命手技となる場合がある.この技術は一見簡単そうにみえるが,気道の構造,装置,適応症についての理解が必要である.このビデオでは,フェイスマスクとバッグ・バルブ装置による陽圧換気を行う際に用いられる装置と技術について実演している.