- 目 次
-
This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
February 5, 2009
Vol. 360 No. 6
ORIGINAL ARTICLES
-
転移性大腸癌に対する化学療法+ベバシズマブ+セツキシマブの併用
Chemotherapy, Bevacizumab, and Cetuximab in Metastatic Colorectal Cancerカペシタビン+オキサリプラチン+ベバシズマブの併用は,転移性大腸癌に対する標準治療である.この試験では,この併用療法にセツキシマブを加えることが有益であるかどうかを検証した.セツキシマブを加えた場合,標準治療に比べて無増悪生存期間が短くなったうえ,QOL が低下した.
-
エストロゲン+プロゲスチン使用後の乳癌
Breast Cancer after Estrogen plus Progestin女性健康イニシアチブ(Women's Health Initiative)のエストロゲン+プロゲスチン投与に関する試験は,閉経後女性を対象にプラセボ対照で実施されたが,健康に関連するリスクがホルモン療法の有益性を上回ったため,2002 年に中止された.ホルモン療法中止後の追跡調査で,最初の 1 年以内に乳癌リスクは急激に減少した.
-
幼児における RS ウイルス感染症
Respiratory Syncytial Virus Infection in Young Children5 歳未満児を対象とした住民ベースのこの前向き調査では,RS ウイルス(RSV)は,冬期の急性呼吸器感染症による入院の 20%,救急部受診の 18%,小児科クリニック受診の 15%と関連していることが示された.外来を受診した RSV 感染症患児のうち,RSV 感染症と明確に診断されたのはわずか 3%にすぎなかった.
BRIEF REPORT
-
常染色体優性の非症候性精神遅滞
Autosomal Nonsyndromic Mental Retardation常染色体優性の非症候性精神遅滞の遺伝的原因は,X 連鎖精神遅滞と比べてほとんど明らかにされていない.この研究では,検査した患者の約 3%で,SYNGAP1 の変異体がこの障害の一因であることが示唆された.
CLINICAL PRACTICE
-
原発性卵巣機能不全
Primary Ovarian Insufficiency30 歳の女性が,妊娠を目的に 6 ヵ月前に経口避妊薬の服用を中止したが,月経がないため受診した.女性は 12 歳で初経があり,思春期の発現は正常であった.女性は職場でストレスがあると報告している.体重 59 kg,身長 166 cm で,体格指数(BMI,体重 [kg]/身長 [m]2)は 21.3 である.内診で異常はなく,妊娠反応は陰性,プロラクチン濃度は正常,卵胞刺激ホルモン濃度は閉経後の範囲である.この女性をどのように評価し,治療すべきであろうか?
CLINICAL PROBLEM-SOLVING
-
見つけにくいもの
Needle in a Haystack50 歳の女性が,軽度の痙攣性の腹痛を伴う軟便を繰り返すと報告した.女性はそれまで健康であったが,2 ヵ月前に排便習慣が 1 日 1 回の有形便から,頻回の中等量の軟便に変化した.
HEALTH POLICY REPORT
-
抗癌薬への支出増加を抑えるためのメディケアの機能の制限
Limits on Medicare's Ability to Control Spending on Cancer Drugsこの 10 年で抗癌薬の価格とメディケアの癌治療に対する支出は飛躍的に増加した.著者は,薬剤支出の抑制のためにメディケアが通常用いる手段を概説し,抗癌薬を特例としてその価格と使用の規制を禁止する政策について論じている.