The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み
  • 目 次
  • This Week at NEJM.org

    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

February 26, 2009
Vol. 360 No. 9

ORIGINAL ARTICLE

  • 脂質・蛋白質・炭水化物の割合の異なる減量食の比較
    Comparison of Weight-Loss Diets with Different Compositions of Fat, Protein, and Carbohydrates

    この無作為化試験では,脂質・蛋白質・炭水化物の割合の異なる低カロリー食による減量効果を,2 年にわたり比較・検討した.食事に対するコンプライアンスは高くはなかった.減量に,食事による有意差は認められなかった.低カロリー食は,栄養素の割合に関係なく,減量に同等の効果があると考えられる.

  • 同種腎移植における C3 多型と移植腎の転帰
    C3 Polymorphisms and Allograft Outcome in Renal Transplantation

    移植腎の長期転帰に,補体第 3 成分(C3)のアロタイプである C3F(fast),C3S(slow)が果たす役割については依然として議論がある.この研究では,レシピエントのアロタイプが SS の場合の移植において,FS または FF のドナー腎に優越性があるという仮説は立証されなかった.これはおそらく,慢性移植腎症が,さまざまな生物学的経路の相互作用が関わる,多面的な疾患であるためと考えられる.

BRIEF REPORT

  • USP9Y 完全欠失の男性における精子形成
    Spermatogenesis in a Man with Complete Deletion of USP9Y

    Y 染色体上の無精子症因子領域 A(AZFA)には 2 つの遺伝子が含まれ,そのうちの 1 つが USP9Y である.これまで,この領域における欠失が男性不妊症と関連することが示されてきたが,ある男性とその父親・兄弟では,USP9Y を含む欠失がみられるものの,精子は正常であった.これは,USP9Y が精子形成に必要ではないことを示す決定的エビデンスである.

  • 北米におけるシプロフロキサシン耐性髄膜炎菌の出現
    Emergence of Ciprofloxacin-Resistant Neisseria meningitidis in North America

    髄膜炎菌感染症に関連した罹病率は,かなり高い.ノースダコタ州とミネソタ州において,同じ血清型 B 群の髄膜炎菌を原因菌とする,シプロフロキサシン耐性髄膜炎菌感染症が 3 例発見された.これらの地域では,第 2 選択の化学療法として使用する抗菌薬に関する推奨事項が変更されている.

CLINICAL THERAPEUTICS

  • 熱傷の切除と植皮
    Excision and Skin Grafting of Thermal Burns

    45 歳の男性が,住宅火災による広範囲熱傷で受診した.熱傷の管理のために切除と植皮が推奨されている.熱傷の深度と範囲によっては,早期切除と植皮のほうが,保存的治療よりも治癒を促進し,感染リスクを減少させ,入院期間を短縮させるが,輸血の必要性が高くなる.

CURRENT CONCEPTS

  • 癌患者における生殖機能の維持
    Preservation of Fertility in Patients with Cancer

    予後良好な若年の癌生存者が増加しており,生殖機能の維持を検討する必要が生じている.これは,癌治療戦略の変更を意味する可能性がある.女性の体外受精や男性の精子バンクに加え,近い将来,卵胞の体外成熟や組織移植技術などの新しい方法が現れる見込みである.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 胎児の口腔内に巨大腫瘤のみられる妊婦
    A Pregnant Woman with a Large Mass in the Fetal Oral Cavity

    29 歳の妊婦が,超音波検査で胎児の口腔内に巨大な嚢胞状構造が見つかり,気道を塞ぐと考えられたため,妊娠 38 週 4 日目に当院に搬送された.胎盤は前壁に付着し,子宮筋腫が認められた.治療決定が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 急性前骨髄球性白血病
    Acute Promyelocytic Leukemia

    マウスにおける急性前骨髄球性白血病(APL)の根治には,分化経路の活性化と,APL 細胞から APL 細胞を維持する融合癌蛋白を除去することの 2 つが,重要な役割をもっている.