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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

November 19, 2009
Vol. 361 No. 21

ORIGINAL ARTICLE

  • ダルベポエチンα の心血管イベント減少効果試験
    A Trial of Darbepoetin Alfa to Reduce Cardiovascular Events

    2 型糖尿病と慢性腎臓病を合併した患者における貧血は,心血管イベント・腎イベントのリスク増加と関連している.このプラセボ対照試験では,このような患者をダルベポエチンα 投与群,プラセボ投与群のいずれかに無作為に割り付けた.複合エンドポイントは,死亡・心血管疾患と,死亡・末期腎不全の 2 つとした.ダルベポエチンα はいずれの転帰も減少させず,脳卒中リスクの増加と関連した.

  • 炎症性腸疾患とインターロイキン-10 のシグナル伝達
    Inflammatory Bowel Disease and Interleukin-10 Signaling

    遺伝子解析により,インターロイキン-10 受容体に影響を及ぼす遺伝子変異が,早発性大腸炎に関連することが示された.分子レベルでのさらなる解析から,この変異がインターロイキン-10 のシグナル伝達を抑制することが明らかになった.患児 1 例に行った同種造血幹細胞移植が奏効した.

  • DOCK8 の変異に関連した複合免疫不全症
    Combined Immunodeficiency Associated with DOCK8 Mutations

    この論文では,再発性の副鼻腔肺の反復感染,広範囲に及ぶ皮膚ウイルス感染,重度のアレルギー,血清 IgE 濃度の上昇がみられる 6~21 歳の患者 11 例について報告している.数例に喘息または反応性気道疾患,癌への感受性が認められた.DOCK8 遺伝子の機能喪失型変異が全例に認められた.

  • 新規の保護的プリオン蛋白変異型とクールー曝露
    A Novel Protective Prion Protein Variant and Kuru Exposure

    クールーは,パプアニューギニアの部族内食人習慣に関連する神経変性疾患であり,プリオン病の典型例である.プリオン蛋白遺伝子(PRNP)のコドン 129 における特定の多型は,クールー発症への感受性と強く関連している.この報告では,パプアニューギニアでクールーに曝露されたにもかかわらず生き延びた人々のさらなる調査を行い,PRNP コドン 127 の特定の多型により,クールーに対する遺伝的耐性がもたらされたことを示している.

MECHANISMS OF DISEASE

  • 炎症性腸疾患
    Inflammatory Bowel Disease

    この総説では,腸管免疫系について近年解明された内容を述べ,この免疫系がクローン病と潰瘍性大腸炎でどのように撹乱されるかを説明している.遺伝的因子の重要性が認識されるようになり,この論文ではそれらの役割を強調している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 咳嗽,嗄声,胸部画像異常を呈する男性
    A Man with Cough, Hoarseness, and Abnormalities on Chest Imaging

    23 歳の男性が,咳嗽,嗄声,発熱,胸部画像異常のため当院に転送されてきた.1 ヵ月前に乾性咳嗽がみられ,その後嗄声,労作時呼吸困難,発熱が生じた.他施設での画像検査で,肺・縦隔の腫瘤と骨盤内の病変が認められた.当院で行った陽電子放射断層撮影(PET)で 18F-フルオロデオキシグルコース集積病変が認められた.診断手技が行われた.

CLINICAL IMPLICATIONS OF BASIC RESEARCH

  • 膵臓癌とヘッジホッグ経路
    Pancreatic Cancer and the Hedgehog Pathway

    進行性膵臓癌モデルマウスにヘッジホッグ経路阻害薬を投与した結果,ゲムシタビンに対する腫瘍の感受性が増強し,疾患が安定した.