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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
April 15, 2010
Vol. 362 No. 15
ORIGINAL ARTICLES
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心房細動に対する緩やかな心拍数コントロールと厳格な心拍数コントロールの比較
Lenient vs. Strict Rate Control for Atrial Fibrillation心房細動患者の転帰を比較した臨床試験で,緩やかな心拍数コントロール(安静時心拍数<110 回/分)は,厳格な心拍数コントロール(安静時心拍数<80 回/分)に劣らないことが示された.この結果に基づき,多くの永続性心房細動患者では,厳格な心拍数コントロールは治療戦略から除外される可能性がある.
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薬剤溶出ステント留置後の抗血小板薬 2 剤併用療法の期間
Dual Antiplatelet Therapy and Drug-Eluting Stents薬剤溶出冠動脈ステント留置術後,12 ヵ月以上抗血小板薬 2 剤併用療法を受けた患者を対象に,2 つの臨床試験が行われた.計 2,701 例が登録され,クロピドグレル投与を継続する群と中止する群に無作為に割り付けられた.無作為化後 19.2 ヵ月の時点で,心筋梗塞・心臓が原因の死亡の発生率に両群間で有意差は認められなかった.
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クローン病の治療法
Therapy for Crohn's Disease中等度~重度のクローン病成人患者を対象としたインフリキシマブ単独療法,アザチオプリン単独療法,両剤併用療法を比較した無作為化試験において,インフリキシマブ単独療法と両剤併用療法は,アザチオプリン単独療法と比べて優越性が認められた.有害事象発生率は 3 群で同程度であった.
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遅発型ポンペ病に対するアルグルコシダーゼ α
Alglucosidase Alfa in Late-Onset Pompe's Diseaseポンペ病は,リソソームのグリコーゲンを分解する酸性 α グルコシダーゼの欠損により引き起こされる疾患である.遅発型ポンペ病は進行性の筋力低下と呼吸機能低下を特徴とし,早期死亡を引き起こす.組換え型ヒト酸性 α グルコシダーゼに関するプラセボ対照無作為化試験では,実薬治療群で 18 ヵ月間にわたり歩行距離が改善し,肺機能が安定した.
CLINICAL PRACTICE
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重症 COPD の外来管理
Outpatient Management of Severe COPD67 歳の男性が,この数年間で息切れが増悪したため受診した.男性は 15 歳から喫煙している.息切れの増悪により肉体労働の仕事を辞めざるをえなかった.身体診察では,聴診で著明な呼吸音の減弱,呼気相の延長を認めた.スパイロメトリーでは,重度の気流閉塞(1 秒量 [FEV1]/努力肺活量 0.43,予測 FEV1 の 34%)が認められた.この症例をどのように管理すべきであろうか?
MECHANISMS OF DISEASE
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中悪性度リンパ腫
Aggressive Lymphomasこの総説では,リンパ腫のなかでもっとも頻度の高い,びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫における分子的変化に関する最近のエビデンスをまとめる.詳細な研究により,この中悪性度リンパ腫に,それぞれ特有の臨床像と分子的特徴をもつ 3 つの亜型の存在が明らかになった.これらの腫瘍の分子解析により治療の新たな可能性が見出され,一部はすでに臨床試験が行われている.
INTERACTIVE MEDICAL CASE
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拍動は続く
The Beat Goes Onこの双方向の特集記事では,失神を起こし救急治療室に運ばれた 45 歳の男性の症例を紹介する.心拍数 240 回/分,血圧 110/50 mmHg で,胸痛を訴えている.NEJM.org でご自身の診断・治療技術を確認し、ほかの方と比較してください.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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嗜眠,錯乱を呈し,脳画像に異常がある女性
A Woman with Lethargy, Confusion, and Abnormalities on Brain Imaging69 歳の女性が,2 ヵ月間で無関心,錯乱,抑うつが増悪したため受診した.女性には結合組織病と特発性血小板減少性紫斑病の既往があった.入院の 10 日前に行った脳 MRI で,異常が認められた.
CLINICAL DECISIONS
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米国内科専門医認定委員会(ABIM)の資格更新プログラム ― 投票結果
American Board of Internal Medicine Maintenance of Certification Program ― Polling Results投票結果の詳細と読者から寄せられた提案・コメントを,NEJM.org でご覧いただけます.