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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

May 27, 2010
Vol. 362 No. 21

ORIGINAL ARTICLE

  • 超早産児における酸素飽和度の目標範囲
    Target Ranges of Oxygen Saturation in Extremely Preterm Infants

    2×2 要因デザインによるこの大規模無作為化試験では,超早産児を対象に酸素飽和度の目標範囲を低くした場合(85~89%)と高くした場合(91~95%)を比較した.目標範囲を低くした場合,重度の網膜症または死亡の複合転帰に有意な減少はみられなかったが,死亡率は上昇して,生存児の重度の網膜症は顕著に減少するという結果になった.

  • 超早産児に対する早期持続陽圧呼吸療法と早期サーファクタント投与の比較
    Early CPAP versus Surfactant in Extremely Preterm Infants

    超早産児を対象とした無作為化 2×2 要因試験のこのパートでは,出生後 1 時間以内に挿管およびサーファクタント投与を行う方法と,分娩室で持続陽圧呼吸療法(CPAP)を開始し,その後プロトコールに従い限定的換気を用いる方法を比較した.死亡または気管支肺異形成症(主要転帰)の発生率には両群間で有意差は認められなかったが,CPAP 群ではサーファクタント群より挿管が必要となる頻度が低く,挿管が必要な日数も少なかった.この結果により,早産児に対しては,挿管とサーファクタントの代替として CPAP を検討することが支持される.

  • 単心室病変に対するノーウッド手術におけるシャント術の比較
    Comparison of Shunt Types in the Norwood Procedure for Single-Ventricle Lesions

    左心低形成症候群は,3 段階の手術が必要な複雑な先天性心疾患である.この試験で処置の第 1 段階として 2 つのアプローチを検討した結果,左心低形成症候群に対する最適な外科的管理について重要な指針が得られた.

CLINICAL PRACTICE

  • 伝染性単核球症
    Infectious Mononucleosis

    それまで健康であった 16 歳の女児が,発熱,咽頭痛,倦怠感が数日間続いたため受診した.女児は非常に疲れているようにみえ,39℃の発熱があった.身体診察では,中等度の扁桃肥大を伴う著明なびまん性咽頭紅斑と,前頸部・後頸部のいくつかのリンパ節に圧痛を伴う腫大を認めた.この症例をどのように管理すべきであろうか?

GENOMIC MEDICINE

  • ゲノム医学 ― 入門アップデート
    Genomic Medicine ― An Updated Primer

    医学は,ゲノムの発見から実践的な情報を得るようになりつつある.この総説では遺伝子とゲノムの発見における根本的基礎について述べ,新シリーズ「ゲノム医学」を立ち上げる.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 咳嗽と左肩の疼痛を呈する男性
    A Man with a Cough and Pain in the Left Shoulder

    48 歳の男性が,咳嗽と疼痛と肩甲骨の溶解性病変のため受診した.咳嗽と肩甲骨痛が発現した 2.5 ヵ月前まで,健康状態は良好であった.他院で撮影された胸部 X 線像の報告どおり,肺炎と肩甲骨の溶解性病変が認められた.肩甲骨病変の摘出生検で,肉芽腫性骨髄炎が認められた.培養検査はすべて陰性であった.胸部 CT で肺上葉の網状浸潤と嚢胞性病変が認められた.診断手技が行われた.