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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

February 4, 2010
Vol. 362 No. 5

ORIGINAL ARTICLE

  • 再発性多発性硬化症に対する経口フィンゴリモドのプラセボ対照試験
    Placebo-Controlled Study of Oral Fingolimod in Relapsing Multiple Sclerosis

    再発寛解型多発性硬化症患者を対象としたこの 24 ヵ月間の無作為化試験では,フィンゴリモド経口投与により,プラセボと比較して,再発率と障害進行率が低下した.フィンゴリモド群では,徐脈と房室ブロック,黄斑浮腫,肝酵素上昇,軽度高血圧などの有害事象が報告された.

  • 再発性多発性硬化症に対するフィンゴリモド経口投与とインターフェロン筋肉注射の比較
    Oral Fingolimod or Intramuscular Interferon for Relapsing Multiple Sclerosis

    再発寛解型多発性硬化症患者を対象としたこの 12 ヵ月間の臨床試験では,フィンゴリモド経口投与は,再発率の低下に関してインターフェロン β-1a 筋肉注射よりも有効であった.フィンゴリモドに関連する有害事象として,ヘルペスウイルス感染(2 例は致死的感染症),房室ブロック,黄斑浮腫,皮膚癌,肝酵素上昇などがみられた.

  • 再発性多発性硬化症に対するクラドリビンとプラセボの比較
    Cladribine or Placebo for Relapsing Multiple Sclerosis

    この 96 週間のプラセボ対照試験では,再発寛解型多発性硬化症患者に対するクラドリビン経口投与により,再発率の低下と持続的障害進行リスクの減少が認められた.クラドリビン群ではリンパ球数の大幅な減少がみられ,帯状疱疹をはじめ,結核の再活性化で 1 例が死亡するなど,感染症がより多く認められた.

  • HIV-1/HSV-2 感染者からの HIV-1 伝播に対するアシクロビル
    Acyclovir and Transmission of HIV-1 from Persons Infected with HIV-1 and HSV-2

    単純ヘルペスウイルス 2 型(HSV-2)の抑制療法が,ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)のウイルス量をも低下させることが示されている.しかし,両ウイルスの血清学的状態が異なるアフリカのカップル 3,408 組を対象としたこのプラセボ対照試験では,アシクロビルの連日投与により HIV-1 RNA 量は低下し,HSV-2 陽性の性器潰瘍の発症は 73%減少したものの,HIV-1 伝播率は低下しなかった.

CLINICAL PRACTICE

  • 時差ぼけ
    Jet Lag

    55 歳の医師が,学会に参加するためロサンゼルスからロンドンへの出張を計画している.前回のヨーロッパ出張では,学会中の眠気と,夜間の入眠・睡眠維持の困難に煩わされたという.この医師は時差ぼけの回避策を知りたがっている.どのような助言をすべきであろうか?

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • アンダープレッシャー
    Under Pressure

    25 歳の女性が,呼吸困難で地元の病院を受診した.進行性の労作時呼吸困難が 2 年間続き,この 3 日間で,寝室を出るだけでも息切れするほど症状が悪化したという.

SOUNDING BOARD

  • 有効性比較と医療支出 ― 改革への影響
    Comparative Effectiveness and Health Care Spending ― Implications for Reform

    この“Sounding Board”で著者らは,費用対効果がよくない治療介入への支出を削減することにより,医療の質を落とすことなく医療費を削減できると主張している.