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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

July 8, 2010
Vol. 363 No. 2

ORIGINAL ARTICLE

  • テストステロン投与に伴う有害事象
    Adverse Events with Testosterone Administration

    無作為化試験において,血清テストステロン値が低く運動に制限のある 65 歳以上の男性を,プラセボゲル群とテストステロンゲル群に割り付け,6 ヵ月間連日塗布した.主要エンドポイントであるレッグプレスの負荷強度の改善は,テストステロン群のほうがプラセボ群に比べ大きかった.しかし,テストステロン群で有害な心イベントが多く発生したため,試験は早期に中止された.

  • 中高年男性における晩発型性腺機能低下症
    Late-Onset Hypogonadism in Middle-Aged and Elderly Men

    40~79 歳の男性の晩発型性腺機能低下症を,症状とテストステロン低値の関連をもとに同定するためのエビデンスに基づく診断基準を検討した.晩発型性腺機能低下症は,3 つ以上の性的症状と,テストステロン値の低下(総テストステロン値 11 nmol/L 未満,遊離テストステロン値 220 pmol/L 未満)により定義できることが示唆された.

  • ゾタロリムス溶出ステントとエベロリムス溶出ステントの比較
    Zotarolimus-Eluting vs. Everolimus-Eluting Stents

    この研究では,ゾタロリムス溶出ステントとエベロリムス溶出ステントの 2 種類の新世代薬剤溶出冠動脈ステントを比較した.臨床転帰と血管造影上の転帰は 2 種類のステントで類似していたが,ステント血栓症の発生率はゾタロリムス溶出ステントのほうがやや高かった.

  • 角膜損傷後の視力回復
    Restoring Vision after Corneal Damage

    角膜損傷において,角膜輪部幹細胞の供給に障害が生じた場合回復しない可能性がある.この長期追跡試験において,113 眼に対して角膜輪部の幹細胞を培養し自家移植を行ったところ,透明な角膜上皮が 77%の眼で再生され,追跡期間を通じて安定していた.

CLINICAL PRACTICE

  • 変性による僧帽弁疾患に起因する僧帽弁逆流
    Mitral Regurgitation Due to Degenerative Mitral-Valve Disease

    44 歳の男性が,呼吸困難と新規心房細動で受診した.男性は 28 歳時に軽度の僧帽弁逆流と診断されたが,長期間受診していなかった.身体診察で,全収縮期雑音と弱い S3 が認められた.再度心エコー検査を行ったところ,後尖動揺と中等度の僧帽弁逆流が明らかになった.この症例をどのように管理すべきであろうか?

GENOMIC MEDICINE

  • ゲノムワイド関連研究と疾患リスクの評価
    Genomewide Association Studies and Assessment of the Risk of Disease

    この 5 年間で,ゲノムワイド関連研究により,疾患への感受性に関連する遺伝子と染色体座に関する多様な洞察が得られた.「ゲノム医学」シリーズの第 2 弾となるこの論文では,ゲノムワイド関連研究のデザインについて説明し,研究から得られるデータが疾患リスクの予測にどの程度有用であるかを考察している.

CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL

  • 希発月経と不妊を呈する女性
    A Woman with Oligomenorrhea and Infertility

    32 歳の女性が,希発月経と不妊で診断を受けた.経口避妊薬を 20 歳から 5 年間使用したのち,25 歳で月経不順になり,妊娠することができなかった.女性は9瘡と顔の毛が濃くなったことを訴え,臨床検査結果は無排卵と一致した.クロミフェンを 2 サイクル服用したところ妊娠し,妊娠糖尿病を発症したが,健常児を分娩して,正常に母乳で育てた.分娩後に耐糖能障害と無月経が持続した.診断検査が行われた.

SOUNDING BOARD

  • ACGME 作業部会の研修期間に関する新勧告
    New Recommendations on Duty Hours from the ACGME Task Force

    卒後医学教育認定評議会(ACGME)作業部会は,労働時間に対する制限を含めて,現行のレジデント研修プログラムの要件を修正するよう提案した.この論文では,提案された内容とその根拠を説明し,2011 年に導入予定の新しい要件に関する意見を募集している.