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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
October 9, 2014
Vol. 371 No. 15
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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敗血症生存率に対する輸血の閾値の影響の欠如
No Effect of Transfusion Threshold on Sepsis Survivalスカンジナビアで行われた大規模無作為化試験では,敗血症性ショック患者において,輸血の閾値をヘモグロビン値 7 g/dL とする群と 9 g/dL とする群とのあいだで,転帰に重要な差は認められなかった.
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ADVANCE 試験の長期追跡調査
Long-Term Follow-up of the ADVANCE Study2 型糖尿病患者を対象とした ADVANCE 試験の追跡調査において,降圧療法に割り付けられた患者に認められた死亡率に対する利益は,追跡調査終了の時点でも明らかであったが,試験中に認められた血糖値の差による,死亡率または大血管イベントに対する長期的利益は認められなかった.
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X 連鎖重症複合免疫不全症に対する遺伝子治療
Gene Therapy for X-Linked SCIDX 連鎖重症複合免疫不全症(SCID)をもたらす遺伝子異常を第一世代レトロウイルスベクターを用いて修正した場合,25%の急性白血病発症リスクを伴う.自己不活性化レトロウイルスには治療効果があると考えられ,現時点で白血病は認められていない.
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短報:ギニアにおけるエボラ集団発生
Brief Report: Ebola Outbreak in Guinea2014 年 3 月,高い致死率を伴うエボラウイルス病の集団発生がギニアで確認され,ヒトからヒトへの伝播が継続していることが明らかにされている.予備的報告のこの最新版では,今回のウイルスは,Zaire ebolavirus と関連する新株であることが示されている.
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短報:未分化甲状腺癌におけるエベロリムス耐性
Brief Report: Resistance to Everolimus in Anaplastic Thyroid Cancer未分化甲状腺癌の 1 例で,エベロリムスが長期奏効した後,哺乳類ラパマイシン標的蛋白(mTOR)阻害に対する耐性が発現した.これは,エベロリムスとの結合部位における mTOR の体細胞変異によるものであった.変異酵素は,mTOR キナーゼ阻害薬に対する in vitro 反応性を保持していた.
REVIEW ARTICLE
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酸塩基平衡異常の生理学的評価
Physiological Assessment of Acid–Base Disturbances酸塩基恒常性は生命の維持に不可欠である.この記事では,酸塩基平衡状態の評価に生理学的アプローチをとるための段階的手法を概説する.
PERSPECTIVE
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2009 H1N1 インフルエンザと妊娠
2009 H1N1 Influenza and Pregnancy米国では,前回のインフルエンザ流行期に,妊娠女性において重症のインフルエンザ疾患,入院,死亡が報告された.このときも,主な流行ウイルスは,2009 年の H1N1 パンデミック株であった.2009 年のパンデミックからどのような教訓を生かすことができるであろうか?
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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髄膜炎菌性髄膜炎における舌下神経麻痺
Hypoglossal Nerve Palsy during Meningococcal Meningitis48 歳の男性が突然の発熱と意識消失をきたした後に入院した.男性はそれ以外の点では健常であった.頭部 CT にて,脳室系の拡大とびまん性の脳浮腫が認められた.患者には右舌下神経麻痺も認められ,ビデオで紹介している.
VIDEOS IN CLINICAL MEDICINE
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超音波ガイド下橈骨動脈カテーテル挿入
Ultrasound-Guided Insertion of an Arterial Catheter超音波は,動脈カテーテルを安全かつ確実に挿入するうえで有用である.このビデオでは,横断面と縦断面で留置針法を用いて成人に橈骨動脈カテーテルを挿入する際の,超音波ガイドの使用を紹介する.
PERSPECTIVE INTERACTIVE GRAPHIC
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脳深部刺激療法
Deep-Brain Stimulation双方向の画像で,脳深部刺激療法を解剖学的に解説し,パーキンソン病や他の疾患の治療におけるその効果を示す.
INTERACTIVE PERSPECTIVE
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エボラウイルス病 ― 現在の知見
Ebola Virus Disease ― Current Knowledge双方向の画像で,過去と現在のエボラ集団発生,およびエボラウイルスに関する現在の知見とヒトへの影響に関する情報を示す.さらなる情報が得られた時点で,画像は更新・増補される.