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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
August 10, 2017
Vol. 377 No. 6
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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上咽頭癌スクリーニング
Screening for Nasopharyngeal Carcinoma香港で,無症状の参加者 20,174 例の血中エプスタイン・バーウイルス DNA を測定した.陽性であった 309 例のうち,34 例に上咽頭癌が認められた.この 34 例の病期の分布と無増悪生存率は,歴史的コホートと比較して良好であった.
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転移性乳癌に対する PARP 阻害
PARP Inhibition for Metastatic Breast Cancer生殖細胞系列 BRCA 変異陽性の転移性乳癌患者において,PARP 阻害薬オラパリブの連日投与は,標準の単剤化学療法よりも無増悪生存期間が長いことに関連した.
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インフルエンザワクチンの効果
Influenza Vaccine Effectiveness2015~16 年のインフルエンザ流行期間中の米国の小児において,不活化インフルエンザワクチンのインフルエンザ疾患予防効果は約 60%であることが示されたが,弱毒生インフルエンザワクチンに効果は認められなかった.
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ナイアシン,NAD,先天奇形
Niacin, NAD, and Congenital Malformationニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)合成機能を喪失させる遺伝子多様体により,VACTERL 連合を構成する先天奇形が生じることが示された.マウスモデルで,在胎中のナイアシン投与により同様の異常が予防された.
REVIEW ARTICLE
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急性呼吸促迫症候群
Acute Respiratory Distress Syndrome急性呼吸促迫症候群,あるいは ARDS と呼ばれている病態が最初に報告されてから,今月で 50 年を迎える.この総説では,ARDS の病理生物学と治療について現在解明されていることを論じている.
SOUNDING BOARD
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医療保険適用と健康
Health Insurance Coverage and Health著者らは,この 10 年間で医療保険が健康に及ぼす影響を検討した,とくに質の高い研究を分析した結果を報告し,保険適用により医療へのアクセスが増え,健康転帰が改善すると結論している.
PERSPECTIVE
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出生前診断における女性の自律性をサポートする
Supporting Women’s Autonomy in Prenatal Testing現在の出生前スクリーニング診療とゲノム科学の複雑さにより,早期に行われる非侵襲的な胎児の遺伝子配列決定が,女性の自律性を尊重するために必要な,確固たるインフォームドコンセントのプロセスを経ることなく,ケアに組み込まれるリスクがある.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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左肺中葉の肺炎
Left-Middle-Lobe Pneumonia内臓逆位症の 34 歳の男性が,発熱と咳嗽を訴えて受診した.胸部 X 線で左肺中葉の肺炎の存在が確認された.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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片頭痛
Migraine片頭痛はよくみられ,日常生活に支障をきたす.管理法として,増悪因子の同定と是正,急性期片頭痛の発作早期に行う治療(トリプタン系薬,非ステロイド抗炎症薬,制吐薬がよく用いられる),発作の頻度と重症度に応じた予防療法などがある.
NEJM QUICK TAKE
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無症状の人の上咽頭癌を検出する
Detecting Nasopharyngeal Carcinoma in Asymptomatic Persons血中 DNA の測定は,癌患者で残存病変を見つけるための方法として検討されているが,無細胞 DNA は,無症状の人のスクリーニングに用いることができるであろうか? 新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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出生前診断のためのインフォームドコンセント
Informed Consent for Prenatal TestingJosephine Johnston が,胎児遺伝子の配列決定と,十分なインフォームドコンセントを確実に行うための課題について論じている.