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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
August 31, 2017
Vol. 377 No. 9
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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第 VIII 因子インヒビターを保有する血友病患者
Hemophilia with Factor VIII Inhibitors遺伝子組換え第 VIII 因子製剤を投与される血友病患者の多くでインヒビターが発生する.凝固経路で第 VIII 因子の機能を代替する抗体,エミシズマブの予防投与により,インヒビターを保有する血友病患者で出血イベントの発生率が低下した.
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血友病においてアンチトロンビンを標的とする
Targeting Antithrombin in Hemophilia血友病 A または B の患者において,アンチトロンビンを標的とするようデザインされた化学修飾 RNA 干渉療法を検討する第 1 相試験が行われた.アンチトロンビン濃度は低下し,トロンビン産生が亢進した.
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ALK 陽性肺癌に対するアレクチニブ
Alectinib for ALK-Positive Lung CancerALK 陽性非小細胞肺癌患者の初回治療として,強力な ALK チロシンキナーゼ阻害薬アレクチニブは,クリゾチニブと比較して有効性が高く,毒性がやや低かった.また,アレクチニブにより中枢神経系再発のリスクも低下した.
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2 型糖尿病におけるリラグルチドと腎転帰
Liraglutide and Renal Outcomes in Type 2 Diabetes2 型糖尿病患者の標準治療にリラグルチド(グルカゴン様ペプチド 1 受容体作動薬)またはプラセボを追加投与した無作為化比較試験の副次的解析で,糖尿病性腎疾患の発症率と進行率はリラグルチド群のほうが低かった.
REVIEW ARTICLES
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肺癌における進歩
Progress in Lung Cancer禁煙により肺癌の発生率は低下している.この総説では,標的治療薬や免疫療法に反応する可能性を明らかにするための分子的特徴付けなど,診断・治療アプローチにおける最近の進歩について論じている.
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ポルフィリン症
Porphyriasポルフィリン合成に関与する 8 種類の酵素のいずれかが欠損すると,それぞれ特有の病型のポルフィリン症が出現する.ポルフィリン症の診断は困難な場合があり,症状は重症化することがある.多様な症状を管理するための新たな治療法が登場している.
SPECIAL REPORT
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医療費負担適正化法の将来に関する世論
Public Opinion about the Future of the ACAこの全米世論調査の分析では,医療費負担適正化法(ACA)の支持率は,2010 年の 42%から 2017 年には 49%に上昇したことが示されている.この調査で,ACA の将来に関する見解が共和党支持者と民主党支持者とのあいだで見事に対照的であることが示された.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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スタージ–ウェーバー症候群
Sturge–Weber Syndrome6 歳の女児が,左上下肢の脱力が突然出現し救急搬送された.身体診察と MRI の所見から,スタージ–ウェーバー症候群の診断が示唆された.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL VIDEO
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冠動脈造影
Coronary Angiography食後の胸痛と発汗が突然出現した 32 歳の男性で行われた冠動脈造影で,冠動脈血流速度の低下を認めるが,左室拡張末期圧は正常,駆出率は 55~60%であった.
NEJM QUICK TAKE
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血友病 A を治療する
Treating Hemophilia A遺伝性出血性疾患である血友病 A の治療には静注があるが,治療効果を抑制し,合併症の発生率を上昇させる可能性のある抗体の発現を引き起こすことがある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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C 型肝炎ウイルス治療における格差
HCV Treatment DisparitiesBrigg Reilley が,先住民医療サービスは,C 型肝炎患者の治療では後れをとっている理由について論じている.