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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
March 8, 2018
Vol. 378 No. 10
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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吸入ステロイドの用量と喘息増悪
Inhaled Glucocorticoid Dose and Asthma Exacerbations喘息では,完全な増悪をきたす前に症状が増加する可能性がある.2 件の試験で,症状が発現したときに吸入ステロイドを 5 倍(小児試験)または 4 倍(成人試験)に増量した.小児では利益は認められず,若干有害である可能性があった.成人では多少の利益が認められた.
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B 型肝炎ウイルスの母子感染予防
Prevention of Mother-to-Child HBV TransmissionB 型肝炎ウイルス(HBV)の母子感染予防は,生涯にわたる感染症と合併症を予防する機会である.タイで行われた無作為化プラセボ対照試験で,児の HBV 感染予防を目的としてテノホビルの評価が行われた.
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短報:赤血球増多症における EPO の相反する転写産物
Brief Report: Dueling EPO Transcripts in Erythrocytosisこの試験では,EPO の完全長メッセンジャー RNA の機能喪失をもたらす変異が,同時に選択的転写産物に機能獲得をもたらすことにより,赤血球増多症を引き起こすことが示されている.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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新たにてんかんを発症した男性
A Man with New-Onset Seizuresマルファン様体型の 25 歳の男性が,新たにてんかんを発症し入院した.画像検査にて脳静脈洞と内頸静脈に血栓を認めた.診断検査が行われた.
SPECIAL REPORT
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細胞を用いる治療法に対する FDA の承認手順
FDA’s Track for Cell-Based TherapiesFDA は,安全かつ有効な治療薬の開発を促す他のいくつかの承認手順に加え,再生医療における細胞を用いる治療法を規制する新しいルートを作った.
PERSPECTIVE
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医師幇助死と精神疾患
Physician-Assisted Suicide and Mental IllnessPerspective の 2 つの記事で,末期疾患をもたない精神疾患患者に対する自殺幇助について論じられている.欧州の医師が自殺を幇助するそのような患者の数は,少ないながらも増えつつある.自殺幇助は米国で合法化されるべきなのか,それとも医師の社会的責任と矛盾するのだろうか?
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腫瘍と転化
Tumors and Transformations若い医師が,2 歳の息子を失ったばかりの 41 歳の男性に超音波検査を行った際,よく知っているものを発見し,胸が張り裂けそうになった.この医師はほかにも悲しい症例を多くみてきたが,この症例に関しては心に余裕がないことに気付く.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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急性閉塞隅角緑内障
Acute Angle-Closure Glaucoma52 歳の女性が,眼痛,霧視,眼圧上昇で救急受診した.これらは急性閉塞隅角緑内障に一致する所見である.
CLINICAL PRACTICE AUDIO
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原発性シェーグレン症候群
Primary Sjögren’s Syndrome原発性シェーグレン症候群の患者は,口腔乾燥・眼乾燥,疲労,疼痛を呈することが多く,B 細胞リンパ腫のリスクが高い.治療にはムスカリン作動薬や,全身性エリテマトーデスで使用される薬剤などが用いられる.
NEJM QUICK TAKE
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小児の喘息増悪を予防する
Preventing Asthma Exacerbations in Children喘息コントロール悪化の初期徴候は,増悪が差し迫っていることを示している可能性がある.治療の強化は完全な増悪をきたすのを防ぐ方法の一つと考えられているが,このアプローチを裏付けるエビデンスは限られている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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山火事の煙を吸い込む
Breathing Wildfire SmokeJohn Balmes が,カリフォルニアで最近発生した山火事による健康への影響の可能性について論じている.