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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
June 20, 2019
Vol. 380 No. 25
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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乳癌に対する臨床的リスクと治療
Clinical Risk and Therapy for Breast CancerTAILORx 試験では,ホルモン受容体陽性ヒト上皮成長因子受容体 2(HER2)陰性乳癌の女性に用いる治療を確かめる際,21 遺伝子による遺伝リスクの予測の役割が確立された.臨床的危険因子から,遺伝リスクが中程度の女性の追加の予後情報が得られた.
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多発性硬化症におけるブルトン型チロシンキナーゼ阻害
BTK Inhibition in Multiple Sclerosis無作為化試験で,ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬エボブルチニブ 75 mg 1 日 1 回の投与を受けた患者は,12~24 週の時点における MRI 上の増強病変の数がプラセボ投与を受けた患者よりも少なかった.しかし,より低い投与量とより高い投与量とで群間で有意差は認められず,また年間再発率と障害進行に投与量による有意差は認められなかった.
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冠動脈疾患における心血管 MRI と冠血流予備量比との比較
Cardiovascular MRI vs. FFR in Coronary Artery Disease定型的狭心症の患者が,心血管 MRI に基づく診断戦略と,冠血流予備量比(FFR)に基づく診断戦略とに無作為に割り付けられ,検査結果をもとに血行再建が施行された.1 年の時点で,心血管 MRI に基づく診断戦略は,FFR に基づく診断戦略に対し,死亡,心筋梗塞,標的血管の血行再建の複合転帰について非劣性であった.
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黒人アフリカ人における降圧薬 2 剤併用療法
Dual Antihypertensive Therapies in Black Africans黒人アフリカ人患者の血圧コントロールにもっとも有効な 2 剤併用療法は明らかにされていない.3 群の無作為化試験で,アムロジピンにヒドロクロロチアジドまたはペリンドプリルを併用した場合,ペリンドプリルとヒドロクロロチアジドを併用した場合よりも降圧に有効であった.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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腹痛と発熱を有する女性
A Woman with Abdominal Pain and Feverクローン病の 38 歳の女性が,腹痛と発熱のため当院に入院した.7 ヵ月前から,アダリムマブ,インフリキシマブ,ステロイドによる治療にもかかわらず症状が進行しているという.診断がなされた.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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非細菌性血栓性心内膜炎
Nonbacterial Thrombotic Endocarditis48 歳の男性が両側腹部痛と体重減少を訴えて受診した.爪に多数の線状出血がみられた.非細菌性血栓性心内膜炎の診断がなされた.
REVIEW ARTICLE
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オピオイド以外による疼痛の治療
Nonopioid Treatment of Pain麻薬による疼痛の治療は中毒,依存,耐性をもたらす可能性があり,代替治療の必要性を強く示している.この総説では,非ステロイド抗炎症薬,抗うつ薬,抗てんかん薬,局所麻酔薬,補完代替療法の役割についてまとめている.
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熱中症
Heatstroke激しい運動によって引き起こされる労作性熱中症は通常,若く活動性の高い人にみられる.一般的に熱波に関連する古典的熱中症は,より高齢の人に多くみられ,多発する場合がある.冷却と輸液が管理の鍵であり,集中治療が必要になることもある.
NEJM QUICK TAKE
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黒人アフリカ人の高血圧を治療する
Treating Hypertension in Black Africans試験や住民ベースの研究の結果から,大部分の患者は従来の目標血圧を達成するのにさえ,少なくとも 2 種類の降圧薬を必要とすることが示されている.しかし,黒人患者に推奨される併用療法は,米国,ヨーロッパのガイドラインでそれぞれ異なっている.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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誤認の結果
The Consequences of MisrecognitionHéctor Carrasco が,複雑な健康問題の根本的な原因を明らかにし,それに取り組むための戦略について論じている.