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This Week at NEJM.org
NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.
February 11, 2021
Vol. 384 No. 6
This Week in the JOURNAL
ORIGINAL ARTICLES
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Covid-19 に対する抗ウイルス薬の転用
Repurposed Antiviral Drugs for Covid-19Covid-19 入院患者に対し,4 つの抗ウイルス薬,すなわちレムデシビル,ヒドロキシクロロキン,ロピナビル,インターフェロンβ-1a の転用を検討する WHO Solidarity 試験の中間結果が報告された.全死亡率,人工呼吸管理の開始,入院期間に対する効果が比較されている.
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日光角化症に対するチルバニブリン軟膏
Tirbanibulin Ointment for Actinic Keratosisチューブリン重合および Src キナーゼシグナル伝達を阻害するチルバニブリンは,顔面と頭皮の日光角化症を消失させることに関して,2 ヵ月の時点でプラセボ軟膏よりも優れていた.この疾患でよくみられるように,1 年の時点で患者の 47%で病変が再発した.有害事象は局所刺激と関連していた.
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両側前庭機能低下に対する人工前庭器
Vestibular Implant for Bilateral Vestibular Hypofunction重度の前庭機能低下を有する成人 8 例に,頭部動揺に関する持続的な情報で 3 つの半規管を刺激するデバイスを埋め込んだ.埋込み後 6 ヵ月と 1 年の時点で,姿勢,歩行,QOL の検査の大部分で改善が示された.7 例で,前庭器を埋め込んだ耳に聴覚障害が認められた.
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医療施設のスタッフにおける抗体と SARS-CoV-2 感染
Antibodies and SARS-CoV-2 Infection in Health Workers医療施設で無症状・有症状のスタッフが SARS-CoV-2 検査を受け,血清抗体陽性・陰性別に追跡された縦断的研究で,抗スパイク IgG 抗体または抗ヌクレオカプシド IgG 抗体の存在は,その後 6 ヵ月間の SARS-CoV-2 再感染リスクが大幅に低いことと関連した.
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HCV ワクチンレジメンの無作為化試験
Randomized Trial of an HCV Vaccine Regimenこの試験では,注射薬物の使用により C 型肝炎ウイルス(HCV)感染のリスクがあった成人を対象に,遺伝子組換えチンパンジーアデノウイルス 3 型ベクターのプライミングワクチン接種と遺伝子組換え改変ワクシニアアンカラのブースター接種の安全性と有効性が評価された.ワクチンは,重篤な有害事象を引き起こさず,HCV 特異的な T 細胞応答を誘導したが,HCV 慢性感染を予防しなかった.
CASE RECORDS OF THE MASSACHUSETTS GENERAL HOSPITAL
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労作時呼吸困難と胸部画像の異常所見を認める女性
A Woman with Dyspnea on Exertion and Abnormal Findings on Chest Imaging70 歳の女性が,労作時呼吸困難の悪化と胸部画像の異常所見により評価を受けた.この評価の 11 年前,両肺底に軽度のモザイク状陰影が偶然発見された.その 3 年後に労作時呼吸困難が出現し,肺機能が悪化した.診断検査が行われた.
Videos, Images, and Multimedia
IMAGES IN CLINICAL MEDICINE
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機械工の手
Mechanic’s Hands37 歳の男性が,指先の皮膚の痛みを伴う肥厚と亀裂,および四肢近位の股関節部・肩部の筋力低下で受診した.皮膚所見は「機械工の手」に一致し,抗合成酵素症候群の診断が下された.
REVIEW ARTICLE
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医学における概日リズム機構
Circadian Mechanisms in Medicineヒトの生理機能と行動の日内変動に関する分子的洞察から,さまざまな疾患経過に対する理解が深まっている.時間生物学もまた,治療のタイミングについて検証可能な仮説を提示している.
ORIGINAL ARTICLE VIDEOS
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重度の前庭機能低下における歩行試験と姿勢試験
Gait and Posture Tests in Severe Vestibular Hypofunction3 つの半規管を刺激するデバイスを埋め込んだ 8 例の,埋込み前のスクリーニング受診時と直近の追跡調査受診時の検査の様子が撮影されている.1 例の自宅での動画では,その他の活動の様子が撮影されている.動画には,参加者との構造化面接が含まれている.
NEJM QUICK TAKE
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SARS-CoV-2 抗体と再感染リスク
SARS-CoV-2 Antibodies and Risk of ReinfectionSARS-CoV-2 感染により,検出可能な免疫応答が生じる.しかし,感染既往者が 2 回目の感染からどの程度守られるのかは不明である.感染後免疫が成立しているのか,また,その持続期間を解明することは,SARS-CoV-2 パンデミックに大きな影響を及ぼす.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.
PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW
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薬価を透明化する
Making Drug Prices TransparentWilliam Feldman が,薬価の透明性に関する連邦政府の新しい規則と,薬価設定情報へのアクセスを向上させる取組みに対する法的な異議申し立てについて論じている.