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    NEJM.orgからピックアップされている注目記事の一覧です.

February 3, 2022
Vol. 386 No. 5

This Week in the JOURNAL

ORIGINAL ARTICLES

  • βサラセミアに対する遺伝子治療
    Gene Therapy for β-Thalassemia

    遺伝子導入した自家造血幹細胞の投与を受けた輸血依存性βサラセミア患者 23 例のうち,評価可能であった患者(22例)の 91%(20例)は輸血非依存状態となり,2 例ではベクターを発現する細胞の生着が少なかった.追跡期間中央値 29.5 ヵ月で,平均ヘモグロビン濃度は 11.7 g/dL であった.

  • タンザニアにおける蚊帳と成人期までの生存
    Mosquito Nets and Survival to Adulthood in Tanzania

    マラリアの伝播率の高い環境では,小児期早期のマラリア制御によって機能的免疫の獲得が遅れ,小児死亡がより後期に移行する可能性があるという仮説が立てられている.このような環境での幼少期のマラリア制御に関する 22 年間の研究で,幼少期の殺虫剤処理された蚊帳の使用による生存の利益が成人期まで持続することが示された.

  • 進行子宮内膜癌に対するレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法
    Lenvatinib-Pembrolizumab in Advanced Endometrial Cancer

    白金製剤を含む治療中に進行した進行子宮内膜癌女性を,レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法を行う群と,医師が選択した化学療法(ドキソルビシンまたはパクリタキセル)を行う群に無作為に割り付けた.無増悪生存期間の中央値はレンバチニブ+ペムブロリズマブ群で 7.2 ヵ月,化学療法群で 3.8 ヵ月であり,全生存期間の中央値はそれぞれ 18.3 ヵ月と 11.4 ヵ月であった.

  • 食道癌に対する免疫チェックポイント療法
    Immune Checkpoint Therapy in Esophageal Cancer

    治療歴のない進行食道癌患者が,化学療法単独群,化学療法+ニボルマブ群,ニボルマブ+イピリムマブ群に無作為に割り付けられた.腫瘍細胞中の PD-L1 発現率が 1%以上の患者では,ニボルマブを含む 2 つのレジメンによって,化学療法よりも全生存期間が延長した.副作用のプロファイルは過去の報告と一致していた.

REVIEW ARTICLE

  • 不明熱
    Fever of Unknown Origin

    不明熱

    自然軽快する発熱を除外するのに十分な時間が経過したあと,質の高い検査を行っても原因が同定できない不明熱には,依然として難渋する.医師は,感染症と他の原因を鑑別するために,分子診断検査の進歩に助けられながら,患者の病歴に細心の注意を払う必要がある.

CLINICAL PROBLEM-SOLVING

  • 嵐の前の静けさ
    Calm before the Storm

    61 歳の男性が,黄疸,淡色便,暗色尿,瘙痒,疲労,最高 39℃の発熱(悪寒なし)が 1 週間続いたため評価を受けた.右季肋部の鈍痛があり,悪心を訴えたが,嘔吐はなかった.黄疸が出現する 6 週間前,男性は Covid-19 で入院していた.

Videos, Images, and Multimedia

IMAGES IN CLINICAL MEDICINE

  • 眼窩壊疽性筋膜炎
    Orbital Necrotizing Fasciitis

    21 歳の男性が,暴行を受けた後,悪寒と右眼の疼痛および腫脹を訴えて受診した.眼瞼の腫脹および暗褐色の変色,視力低下,眼圧上昇が認められた.外科的デブリドマンが行われ,術中所見で眼窩壊疽性筋膜炎が示された.

NEJM QUICK TAKE

  • 小児期早期の蚊帳の使用と長期生存
    Early-Childhood Mosquito Net Use and Long-Term Survival

    小児期早期の蚊帳の使用と長期生存

    殺虫剤処理された蚊帳の使用により,小児期早期のマラリアによる死亡率は低下するが,機能的免疫の獲得が遅れ,その後の死亡率上昇につながる可能性がある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 進行子宮内膜癌に対するレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法
    Lenvatinib–Pembrolizumab for Advanced Endometrial Cancer

    進行子宮内膜癌に対するレンバチニブとペムブロリズマブの併用療法

    白金製剤ベースの化学療法が無効であった進行子宮内膜癌の標準治療として定義されているものはない.レンバチニブとペムブロリズマブの併用療法は,早期試験で有望性が示された.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

  • 食道癌に対する免疫チェックポイント阻害薬
    Immune Checkpoint Inhibitors in Esophageal Cancer

    食道癌に対する免疫チェックポイント阻害薬

    進行食道癌患者の一次化学療法後の全生存は不良である.一次治療に免疫チェックポイント阻害薬を組み込むことで,転帰が改善する可能性がある.新しい研究知見が短い動画にまとめられている.

PERSPECTIVE AUDIO INTERVIEW

  • 経済学と公衆衛生
    Economics and Public Health

    経済学と公衆衛生

    Tiffany Green が,経済学が公衆衛生政策の指針としてどのように役立つかについて論じている.