The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

March 20, 2003 Vol. 348 No. 12

メラノコルチン 4 受容体遺伝子突然変異の重要な表現型としての過食
Binge Eating as a Major Phenotype of Melanocortin 4 Receptor Gene Mutations

R. Branson and Others

背景

肥満は,主に多遺伝子性の,遺伝的要因と環境の相互作用によって引き起される多因子疾患である.レプチン受容体(LEPR)遺伝子やメラノコルチン 4 受容体(MC4R)遺伝子といった遺伝子におけるいくつかの突然変異が,単一遺伝子性肥満の原因として同定されている.

方 法

重度の肥満である白人被験者 469 例(女性 370 例,男性 99 例;平均[±SE]年齢 41.0±0.5 歳;体格指数[kg で表示した体重を m で表示した身長の二乗で除したもの]44.1±2.0)で,完全な MC4R コーディング領域,αメラノサイト刺激ホルモンをコードするプロオピオメラノコルチン遺伝子(POMC)領域,LEPR のレプチン結合ドメインの塩基配列を決定した.減量の既往や肥満の家族歴がない女性 15 例と男性 10 例を正常体重対照者(年齢 47.7±2.0 歳;体格指数 21.6±0.4)とした.体脂肪,安静時のエネルギー消費量,食事誘導熱産生,レプチンの血清濃度,食行動などの詳細な表現型データを収集した.

結 果

肥満被験者 24 例(5.1%)と対照被験者 1 例(4%)に,5 種の新規変異体を含む MC4R 突然変異がみられた.MC4R 突然変異がある肥満被験者 24 例のうち 20 例と,MC4R 突然変異がない肥満被験者 445 例中の 120 例とを,年齢,性別,体格指数でマッチさせた.過食の既往を報告したのは,突然変異がある肥満被験者では全例だったのに対し,突然変異がない肥満被験者では 14.2%(P<0.001),突然変異がない正常体重被験者では 0%であった.過食の有病率は,LEPR のレプチン結合ドメインに突然変異をもつ被験者ともたない被験者では同程度であった.αメラノサイト刺激ホルモンをコードする POMC 領域では,突然変異は見付からなかった.

結 論

過食は,食行動を調節する遺伝子の候補である MC4R に突然変異がある被験者において,表現型の主要な特徴である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 1096 - 103. )