The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 16, 2003 Vol. 348 No. 3

上皮性卵巣癌における腫瘍内 T 細胞と再発および生存率
Intratumoral T Cells, Recurrence, and Survival in Epithelial Ovarian Cancer

L. Zhang and Others

背景

卵巣癌の中に腫瘍浸潤性 T 細胞の存在が確認されるが,臨床転帰との明確な関連性は確立していない.

方 法

進行期の卵巣癌から採取した凍結標本 186 検体に対し,免疫組織化学的分析を行い,腫瘍浸潤性 T 細胞の分布を評価し,転帰解析を行った.一部の腫瘍では,リアルタイム PCR を用いて分子分析を行った.

結 果

腫瘍 186 個中 102 個(54.8%)に,CD3+腫瘍浸潤性 T 細胞が腫瘍細胞島内に検出された;腫瘍 72 個(38.7%)では,CD3+腫瘍浸潤性 T 細胞は検出されず,残りの腫瘍 12 個(6.5%)は評価できなかった.腫瘍内 T 細胞の有無による,無進行生存と全生存の分布には有意差がみられた(両比較で P<0.001).腫瘍に T 細胞を含む患者では,5 年間での全生存率は 38.0%であったのに対し,島に T 細胞を含まない腫瘍を有する患者では,4.5%であった.腫瘍内 T 細胞の有無による,無進行生存と全生存の分布間の有意差(両比較で P<0.001)は,腫瘍摘出術およびプラチナ製剤をベースとした化学療法後に完全奏効を示した患者 74 例にもみられた;5 年間での全生存率は,腫瘍に T 細胞を含む患者では 73.9%であったのに対し,腫瘍島に T 細胞を含まない患者では 11.9%であった.多変量解析では,腫瘍内 T 細胞の存在は,独立して再発の遅延または死亡の遅延と相関しており,腫瘍内のインターフェロンγ,インターロイキン 2,およびリンパ球走化ケモカインの発現増加と関係していた.腫瘍内 T 細胞が存在しないことは,血管内皮の成長因子の濃度増加と関連していた.

結 論

腫瘍内 T 細胞の存在は,進行した卵巣癌における臨床転帰の改善と相関している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 203 - 13. )