The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

June 12, 2003 Vol. 348 No. 24

慢性肉芽腫症における真菌感染予防のためのイトラコナゾール
Itraconazole to Prevent Fungal Infections in Chronic Granulomatous Disease

J.I. Gallin and Others

背景

慢性肉芽腫症は,食細胞が過酸化水素を産生できなくなるというまれな疾患である.そのため,患者は細菌や真菌に感染しやすい.抗菌薬やインターフェロンγ の予防投与により細菌感染は減少したが,生命を脅かす真菌感染の危険もある.慢性肉芽腫症における重篤な真菌感染に対する予防薬として,イトラコナゾールの有効性を評価した.

方 法

年齢 5 歳以上の患者 39 例(女性 6 例,男性 33 例,平均年齢 14.9 歳)を無作為二重盲検プラセボ対照試験に組み入れた.各患者は最初に割付けられた治療を受けたあと,イトラコナゾールとプラセボを 1 年ごとに交互に受けた.13 歳以上の患者と体重が 50 kg 以上の全患者にはイトラコナゾール 200 mg を 1 日 1 回投与し,13 歳未満の患者または体重が 50 kg 未満の患者にはイトラコナゾール 100 mg を 1 日 1 回投与した.主要エンドポイントは組織学的検査結果または培養で判定した重症の真菌感染とした.

結 果

イトラコナゾール投与中,患者 1 例(患者は治療を遵守していなかった)に重篤な真菌感染がみられたのに対し,プラセボ投与中には 7 例に重篤な真菌感染がみられた(P=0.10).イトラコナゾール投与群患者では表在性の真菌感染は認められなかったが,プラセボ投与群の患者では 5 例に認められた.イトラコナゾールによる重篤な毒性作用はみられなかったものの,患者 1 例に発疹が認められ,他の 1 例では肝機能検査値が上昇した;これらの作用はイトラコナゾールの中止により回復した.

結 論

イトラコナゾールによる予防は,慢性肉芽腫症における真菌感染の発生率を減少させる,有効かつ忍容性の高い治療法であると考えられる.しかし,長期的な毒性作用に対する監視が必要不可欠である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 2416 - 22. )