The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 23, 2003 Vol. 348 No. 4

子癇予防のための硫酸マグネシウムとニモジピンの比較
A Comparison of Magnesium Sulfate and Nimodipine for the Prevention of Eclampsia

M.A. Belfort, J. Anthony, G.R. Saade,and J.C. Allen, Jr.

背景

硫酸マグネシウムは,脳血管収縮や脳虚血を減少させることによって子癇を防ぐ可能性がある.ニモジピン(nimodipine)は,特異的な脳血管拡張活性をもつカルシウムチャネル拮抗薬である.われわれの目的は,ニモジピンが重症子癇前症の女性における痙攣発作の予防に,硫酸マグネシウムよりも効果的であるかどうかを決定することであった.

方 法

重症子癇前症の女性 1,650 例を,組み入れ時から分娩後 24 時間までのあいだに,ニモジピン投与(4 時間ごとに 60 mg を経口投与)あるいは硫酸マグネシウムの静脈内投与(施設のプロトコルに従って投与)を受けるよう無作為に割付けた,非盲検多施設共同試験を実施した.高血圧は,必要に応じてヒドララジンの静脈内投与によってコントロールした.主要転帰指標は子癇発作とし,強直性間代性痙攣がみられたことと定義した.

結 果

人口統計学的および臨床的特徴は,両群においてほぼ同様であった.ニモジピン投与女性は,硫酸マグネシウム投与女性よりも痙攣発作の発生頻度が高かった(819 例中 21 例 [2.6%]対 831 例中 7 例[0.8%],P=0.01).ニモジピンに関連した子癇の補正リスク比は,硫酸マグネシウムと比較して 3.2 であった(95%信頼区間 1.1~9.1).分娩前の痙攣発作の割合には両群に有意な差はなかったが,ニモジピン群は分娩後の痙攣発作の割合がより高かった(819 例中 9 例[1.1%]対 831 例中 0 例,P=0.01).両群に,新生児の転帰に関する有意な差はなかった.硫酸マグネシウム群では,ニモジピン群の女性よりも多くの女性が,血圧コントロールのためにヒドララジンを必要とした(54.3% 対 45.7%,P<0.001).

結 論

硫酸マグネシウムは,重症子癇前症の女性における痙攣発作の予防に,ニモジピンよりも効果が高い.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 304 - 11. )