The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

January 23, 2003 Vol. 348 No. 4

肥大型心筋症の臨床転帰に対する左室流出路閉塞の影響
Effect of Left Ventricular Outflow Tract Obstruction on Clinical Outcome in Hypertrophic Cardiomyopathy

M.S. Maron and Others

背景

肥大型心筋症の臨床転帰に対する左室流出路閉塞の影響は,いまだ解明されていない.

方 法

平均(±SD)6.3±6.2 年間追跡した肥大型心筋症患者の大規模コホートにおいて,罹患率および死亡率に対する流出路閉塞の影響を評価した.

結 果

一連の患者 1,101 例のうち 273 例(25%)は,基礎(安静)状態では,瞬時最大圧較差が 30 mmHg 以上の左室流出路閉塞を有していた.計 127 例の患者(12%)が肥大型心筋症で死亡し,生存患者のうち 216 例(20%)では,重篤で生活に障害を生じるような進行性心不全の症状(ニューヨーク心臓協会[NYHA]の心機能分類が III 度または IV 度)を発現した.肥大型心筋症に関連した全死亡率は,流出路閉塞を有する患者で,閉塞がない患者よりも有意に高かった(相対リスク 2.0;P=0.001).また,とくに心不全や脳卒中による NYHA 心機能分類の III 度または IV 度への進行,または死亡のリスクは,閉塞患者で閉塞がない患者よりもより大きく(相対リスク 4.4;P<0.001),とくに 40 歳以上の患者において大きかった(P<0.001).流出路閉塞は,肥大型心筋症に関連した死亡(相対リスク 1.6;P=0.02)と心不全や脳卒中による NYHA 心機能分類の III 度または IV 度への進行,または死亡(相対リスク 2.7;P<0.001)の両方に対するリスク増加に独立して関連していたことが,年齢を補正した多変量解析で確認された.圧較差が 30 mmHg の閾値を超えて増加した場合は,流出路閉塞に関連した重篤な症状と死亡の確率は増加しなかった.

結 論

肥大型心筋症患者において,安静時の左室流出路閉塞は,心不全の重篤な症状への進行や死亡に対する,強力で独立した予測因子である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 348 : 295 - 303. )