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December 4, 2003 Vol. 349 No. 23

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無症状の成人における大腸新生物スクリーニングのための CT 仮想大腸内視鏡検査
Computed Tomographic Virtual Colonoscopy to Screen for Colorectal Neoplasia in Asymptomatic Adults

P.J. Pickhardt and Others

背景

大腸新生物の平均的なリスクを有するスクリーニング対象集団で,大腸新生物の検出を目的として,コンピュータ断層撮影(CT)を用いた大腸の仮想内視鏡検査の性能特性を評価した.

方 法

計 1,233 人の無症状の成人(平均年齢 57.8 歳)を対象に,仮想大腸内視鏡検査と光学式大腸内視鏡検査を同日に行った.放射線科医は,CT 仮想大腸内視鏡検査でポリープを最初に検出するさい,三次元内腔画像表示を使用した.大腸の各部分の初回検査において,大腸内視鏡検査医には仮想大腸内視鏡検査の所見について知らせず,その後再検査を行う前に知らせた.仮想大腸内視鏡検査の感度と特異度,および光学式大腸内視鏡検査の感度は,非盲検で行った光学式大腸内視鏡検査の最終所見を評価基準として用いて算出した.

結 果

腺腫性ポリープに対する仮想大腸内視鏡検査の感度は,直径 10 mm 以上のポリープでは 93.8%,直径 8 mm 以上のポリープでは 93.9%,直径 6 mm 以上のポリープでは 88.7%であった.腺腫性ポリープに対する光学式大腸内視鏡検査の感度は,3 種類の大きさの腫瘍でそれぞれ 87.5%,91.5%,92.3%であった.腺腫性ポリープに対する仮想大腸内視鏡検査の特異度は,直径 10 mm 以上のポリープでは 96.0%,直径 8 mm 以上のポリープでは 92.2%,直径 6 mm 以上のポリープでは 79.6%であった.2 例ではポリープは悪性であり,いずれも仮想大腸内視鏡検査で検出されたが,そのうちの 1 例は仮想大腸内視鏡検査の結果が明かされる前の光学式大腸内視鏡では検出できなかった.

結 論

三次元の方法を用いた CT 仮想大腸内視鏡は,無症状で平均的なリスクを有する成人において,大腸新生物を検出するための正確なスクリーニング法である.また,臨床的に意義のある病変の検出に関しては光学式大腸内視鏡より優れている.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 349 : 2191 - 200. )