December 25, 2003 Vol. 349 No. 26
多発性骨髄腫に対する自己幹細胞の 1 回の移植と 2 回の移植の比較
Single versus Double Autologous Stem-Cell Transplantation for Multiple Myeloma
M. Attal and Others
われわれは,大量化学療法と,それに続く自家幹細胞の 1 回の移植または 2 回連続の移植による多発性骨髄腫治療の無作為試験を行った.
診断時に,以前に治療を受けていない 60 歳未満の患者 399 例を,1 回の移植または 2 回の移植を受けるよう無作為に割付けた.
完全奏効または最良部分奏効が得られたのは,1 回移植群では患者の 42%,2 回移植群では患者の 50%であった(P=0.10).診断後 7 年間の無病生存率は,1 回移植群では 10%,2 回移植群では 20%であった(P=0.03).7 年全生存率の推定値は 1 回移植群で 21%,2 回移植群で 42%であった(P=0.01).1 回の移植後 3 ヵ月以内に最良部分奏効が得られなかった患者では,7 年生存率は 1 回移植群で 11%,2 回移植群で 43%であった(P<0.001).次の 4 つの因子,ベースライン時の血清β2 ミクログロブリン値(P<0.01)と血清乳酸脱水素酵素値(P<0.01),年齢(P<0.05),治療群(P<0.01)が,生存と有意に関連していた.
大量化学療法後の 1 回の自己幹細胞移植と比較すると,2 回の移植は,骨髄腫患者,とくに 1 回の移植後に最良部分奏効が得られなかった患者の全生存率を改善する.