The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

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日本語アブストラクト

July 3, 2003 Vol. 349 No. 1

急性細気管支炎の乳児におけるエピネフリンのネブライザー吸入に関する多施設共同無作為二重盲検対照試験
A Multicenter, Randomized, Double-Blind, Controlled Trial of Nebulized Epinephrine in Infants with Acute Bronchiolitis

C. Wainwright and Others

背景

細気管支炎の乳児の治療は,大半が支持療法である.気管支拡張薬の役割については議論が続いている.気管支拡張薬の使用に関する研究の多くは,登録被験者が少なく,臨床スコアなどの短期転帰しか検討していない.

方 法

細気管支炎と臨床診断され,豪州クイーンズランド州の 4 つの病院に入院した乳児 194 例において,プラセボと単一異性体エピネフリンのネブライザー吸入を比較する無作為二重盲検対照試験を行った.入院後,4 時間間隔で,1%エピネフリン 4 mL をネブライザーで 3 回投与,または生理食塩水 4 mL を 3 回投与した.入院時,各投与の直前,30 分後,60 分後に観察を行った.主要転帰評価項目は,入院日数と乳児が退院可能となるまでの時間であった.副次的評価項目は呼吸数,心拍数,呼吸努力スコアの変化の程度,および酸素補給を必要とした時間であった.

結 果

入院日数(P=0.16)や乳児が退院可能となるまでの時間(P=0.86)について,全般的に有意な群間差はなかった.酸素補給と静脈内輸液を必要とした乳児では,乳児が退院可能となるまでの時間は,エピネフリン群のほうがプラセボ群より有意に長かった(P=0.02).入院時の酸素補給の必要性は,疾患重症度スコアにもっとも強く影響し,入院日数の長さと乳児が退院可能となるまでの時間の強力な予測因子であった(P<0.001).各投与の前後で,呼吸数,血圧,呼吸努力スコアに有意な変化はなかった.心拍数は,エピネフリン投与後に各回とも有意に増加した(P=0.02~P<0.001).

結 論

細気管支炎で入院した乳児において,エピネフリンのネブライザー吸入を行っても入院日数や退院可能となるまでの時間は有意に減少しなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2003; 349 : 27 - 35. )