The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

March 11, 2004 Vol. 350 No. 11

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

片頭痛の急性期治療のためのカルシトニン遺伝子関連ペプチド受容体拮抗薬 BIBN 4096 BS
Calcitonin Gene–Related Peptide Receptor Antagonist BIBN 4096 BS for the Acute Treatment of Migraine

J. Olesen and Others

背景

カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)は,片頭痛の原因である可能性がある.われわれは,CGRP 受容体拮抗薬が片頭痛発作の治療に有効であるかもしれないという仮説を立てた.

方 法

BIBN 4096 BS は,特異性の高い,強力な非ペプチド性 CGRP 受容体拮抗薬である.BIBN 4096 BS に関する国際的な多施設共同二重盲検無作為臨床試験を実施し,片頭痛の患者 126 例に,プラセボまたは BIBN 4096 BS の 0.25 mg,0.5 mg,1 mg,2.5 mg,5 mg,10 mg のいずれかを 10 分間静脈内投与した.群逐次適合治療割付け計画法(group-sequential adaptive treatment-assignment design)を用いて,薬物に曝露される患者数を最小限に抑えた.

結 果

プラセボでは奏効率が 27%であったのに対し,BIBN 4096 BS 2.5 mg での奏効率は 66%であったことから(P=0.001),BIBN 4096 BS 2.5 mg が検討投与量に選ばれた.BIBN 4096 BS 群全体では,奏効率は 60%であった.また,BIBN 4096 BS 群は,ほとんどの副次的エンドポイントでプラセボよりも有意に優れていた.副次的エンドポイントは,2 時間後の無痛率;24 時間反応持続率;頭痛再発率;悪心,羞明,音響恐怖症,身体機能の改善;有意な頭痛軽減までの時間とした.効果は 30 分後に明らかとなり,その後数時間にわたって高まった.有害事象の総発生率は,BIBN 4096 BS 2.5 mg の投与後で 25%,BIBN 4096 BS 群全体で 20%であったのに対し,プラセボ群では 12%であった.もっとも発生率の高い副作用は異常感覚であった.重篤な有害事象はみられなかった.

結 論

CGRP 拮抗薬 BIBN 4096 BS は,片頭痛の急性期発作の治療に有効であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 1104 - 10. )