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May 27, 2004 Vol. 350 No. 22

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前立腺特異抗原値が 4.0 ng/mL 以下の男性における前立腺癌の有病率
Prevalence of Prostate Cancer among Men with a Prostate-Specific Antigen Level ≦4.0 ng per Milliliter

I.M. Thompson and Others

背景

前立腺特異抗原(PSA)の正常範囲として,最適とされる上限値は明らかではない.われわれは,前立腺癌予防試験(Prostate Cancer Prevention Trial)において,PSA 値が 4.0 ng/mL 以下の男性を対象に,前立腺癌の有病率を調査した.

方 法

この予防試験に組み入れられた男性 18,882 例のうち,9,459 例をプラセボ投与に無作為に割付け,PSA 測定および直腸指診を年 1 回行った.これら 9,459 例のうち,2,950 例は PSA 値が 4.0 ng/mL を超えず,直腸指診でも異常がみられなかった.これら 2,950 例に最終的な PSA 測定を行い,7 年間の試験終了時に前立腺生検を行った.

結 果

2,950 例(年齢範囲 62~91 歳)のうち,449 例(15.2%)で前立腺癌が診断された.これら 449 例のうち,67 例(14.9%)の癌はグリーソンスコアが 7 以上であった.前立腺癌の有病率は,PSA 値が 0.5 ng/mL 以下の男性では 6.6%,0.6~1.0 ng/mL の男性では 10.1%,1.1~2.0 ng/mL の男性では 17.0%,2.1~3.0 ng/mL の男性では 23.9%,3.1~4.0 ng/mL の男性では 26.9%であった.悪性度の高い癌の有病率は,PSA 値が 0.5 ng/mL 以下では 12.5%,3.1~4.0 ng/mL では25.0%と次第に高くなった.

結 論

生検で検出された前立腺癌は,悪性度の高い癌も含めて,PSA 値 4.0 ng/mL 以下の男性でもまれではない.この PSA 値は,一般的に正常範囲内であると考えられている.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 2239 - 46. )