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January 15, 2004 Vol. 350 No. 3

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Campylobacter jejuni と関連した免疫増殖性小腸疾患
Immunoproliferative Small Intestinal Disease Associated with Campylobacter jejuni

M. Lecuit and Others

背景

免疫増殖性小腸疾患(α鎖病としても知られる)は,小腸の粘膜関連リンパ組織(MALT)に発生するリンパ腫の一種であり,会合する L 鎖を欠損した,単一の不完全な免疫グロブリン αH 鎖の発現と関連している.初期段階の疾患が抗菌薬に反応することから,細菌が原因と示唆される.われわれは病原因子の同定を試みた.

方 法

免疫増殖性小腸疾患を有する一連の患者から採取した小腸生検標本で,ポリメラーゼ連鎖反応(PCR),DNA 塩基配列決定,蛍光 in situ ハイブリダイゼーション,免疫組織化学的検査を行った.

結 果

抗菌薬に顕著に反応した,免疫増殖性小腸疾患の 1 例の指標患者から採取した凍結小腸組織を分析したところ,Campylobacter jejuni の存在が明らかになった.小腸生検の保存標本を後ろ向きに分析したところ,別の免疫増殖性小腸疾患患者 6 例中 4 例にカンピロバクター属が認められた.

結 論

これらの結果から,カンピロバクターと免疫増殖性小腸疾患の関連性と,ヒトで免疫増殖状態を引き起す病原体の増加中のリストに C. jejuni を追加すべきであることが示唆される.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 239 - 48. )