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February 12, 2004 Vol. 350 No. 7

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急性呼吸困難の評価と管理における B 型ナトリウム利尿ペプチドの利用
Use of B-Type Natriuretic Peptide in the Evaluation and Management of Acute Dyspnea

C. Mueller and Others

背景

うっ血性心不全患者では,心不全以外の原因による呼吸困難の患者よりも B 型ナトリウム利尿ペプチド値が高い.

方 法

急性呼吸困難で救急科を受診した患者 452 例を対象に,前向き無作為対照試験を行った.225 例をベッドサイドで行う迅速検査を用いて B 型ナトリウム利尿ペプチド濃度を測定する診断法に,227 例を標準診断法に無作為に割り付けた.退院までの期間および総治療費を主要エンドポイントとした.

結 果

ベースラインの人口統計学的特徴および臨床所見の特徴は両群でよく一致していた.B 型ナトリウム利尿ペプチド値を用いることで,入院と集中治療の必要性が減少した.B 型ナトリウム利尿ペプチド測定群では患者の 75%が入院したのに対し,対照群では患者の 85%が入院した(P=0.008).また B 型ナトリウム利尿ペプチド測定群患者の 15%が集中治療を必要としたのに対し,対照群患者では 24%であった(P=0.01).退院までの期間の中央値は,B 型ナトリウム利尿ペプチド測定群では 8.0 日,対照群では 11.0 日であった(P=0.001).平均総治療費は,B 型ナトリウム利尿ペプチド測定群で 5,410 ドル(95%信頼区間 4,516~6,304 ドル)であったのに対し,対照群では 7,264 ドル(95%信頼区間 6,301~8,227 ドル)であった(P=0.006).30 日死亡率はそれぞれ 10%,12%であった(P=0.45).

結 論

救急科で B 型ナトリウム利尿ペプチドを迅速に測定し,その他の臨床情報を併用することで,急性呼吸困難の患者の評価と治療が向上した.その結果,退院までの期間が短縮し,総治療費が減少した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 647 - 54. )