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February 26, 2004 Vol. 350 No. 9

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小児期の体格指数の経時的変化と青年期の耐糖能異常との関連
Relation of Serial Changes in Childhood Body-Mass Index to Impaired Glucose Tolerance in Young Adulthood

S.K. Bhargava and Others

背景

2 型糖尿病のリスクは,出生時体重が低く,その後成人時に肥満になる人で高い.そのような人の肥満は小児期に始るのか,もしそうならどの年齢から始るのかは不明である.肥満の発端を理解することは発展途上国ではとくに重要で,そうした国々では 2 型糖尿病が急増しているにもかかわらず,公衆衛生の勧告では依然として小児期の「栄養不足」を減らすことに重点がおかれている.

方 法

地域住民ベースの前向き研究で,出生時,および乳児期,小児期,青年期に 3~6 ヵ月間隔で耐糖能と血漿インスリン濃度の測定を受けた 26~32 歳の男女 1,492 人を評価した.

結 果

耐糖能異常の有病率は 10.8%,糖尿病有病率は 4.4%であった.耐糖能異常または糖尿病を有する被験者は,2 歳までは体格指数が低く,その後早期に脂肪蓄積のリバウンド(adiposity rebound)がみられ(体格が大きくなり始める幼児期以降の年齢),成人になるまで体格指数が加速度的に上昇した.しかし,2~12 歳で体格指数が増加しても,12 歳で肥満であった被験者はいなかった.2~12 歳で体格指数が 1 SD 増加することに関連した疾患のオッズ比は 1.36であった(95%信頼区間 1.18~1.57;P<0.001).

結 論

幼児期に痩せていることと,青年期における耐糖能異常や糖尿病の存在には関連性がある.2 歳以後に体格指数が高い区分に移行することも,耐糖能異常や糖尿病に関連する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 350 : 865 - 75. )