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September 30, 2004 Vol. 351 No. 14

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Fas の体細胞変異を伴う自己免疫性リンパ増殖症候群
Autoimmune Lymphoproliferative Syndrome with Somatic Fas Mutations

E. Holzelova and Others

背景

Fas を介して誘導されるリンパ球のアポトーシスが in vitro で起らないことは,自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)の主要な特徴である.in vitro で,Fas 誘導性アポトーシスに正常な感受性を示すリンパ球を有する,ALPS 小児 6 例について検討を行った.

方 法

III 型 ALPS 患児 6 例から精製した T 細胞サブグループとその他の単核細胞サブグループについて,Fas 誘導性アポトーシスに対する感受性と Fas 遺伝子を解析した.

結 果

6 例全例で,ポリクローナルなダブルネガティブ T 細胞に,ヘテロ接合性の Fas 変異が検出された.2 例では,これらの変異は CD4+ T 細胞や CD8+ T 細胞,単球,CD34+造血前駆細胞の一部でみられたが,毛髪や粘膜上皮細胞ではみられなかった.

結 論

Fas のヘテロ接合性体細胞変異によって,リンパ球前駆細胞が正常な細胞死の過程に耐性をもつようになり,散発性の ALPS が引き起される可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 1409 - 18. )