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October 14, 2004 Vol. 351 No. 16

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腹部大動脈瘤に対する従来の手術と血管内修復術とを比較した無作為試験
A Randomized Trial Comparing Conventional and Endovascular Repair of Abdominal Aortic Aneurysms

M. Prinssen and Others

背景

腹部大動脈瘤の血管内修復術(ステントグラフト内挿術)に関する当初の成績は有望なものであったが,対照試験で得られた最近の所見では,開腹手術の成績と比較して,30 日死亡率に説得力のある低下はみられていない.

方 法

瘤径 5 cm 以上の腹部大動脈瘤の診断を受け,開腹手術と血管内修復術の両手技の適応者と判断された患者 345 例を対象に,開腹手術と血管内修復術とを比較する多施設共同無作為試験を実施した.解析した転帰は,術後 30 日以内の死亡(手術死亡)と,手術死亡および重度の合併症,手術死亡および中等度あるいは重度の合併症という,2 つの複合エンドポイントであった.

結 果

手術死亡率は,開腹群で 4.6%(174 例中 8 例;95%信頼区間 2.0~8.9%),血管内修復群で 1.2%(171 例中 2 例;95%信頼区間 0.1~4.2%),リスク比は 3.9 であった(95%信頼区間 0.9~32.9).手術死亡および重度の合併症の合計発生率は,開腹群で 9.8%(174 例中 17 例;95%信頼区間 5.8~15.2%),血管内修復群で 4.7%(171 例中 8 例;95%信頼区間 2.0~9.0%),リスク比は 2.1 であった(95%信頼区間 0.9~5.4).

結 論

この試験の全体的な結果に基づくと,瘤径 5 cm 以上の腹部大動脈瘤を有する患者では,血管内修復術は開腹手術よりも好ましい.この優位性が持続するか否かを確定するには,長期の追跡調査が必要である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 1607 - 18. )