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November 4, 2004 Vol. 351 No. 19

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2 型糖尿病における微量アルブミン尿の予防
Preventing Microalbuminuria in Type 2 Diabetes

P. Ruggenenti and Others

背景

多施設共同二重盲検無作為試験であるベルガモ糖尿病性腎症合併症試験(Bergamo Nephrologic Diabetes Complications Trial; BENEDICT)は,アンジオテンシン変換酵素阻害薬と非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬の単独または併用投与により,高血圧の 2 型糖尿病患者で尿中アルブミン排泄量の正常な患者において,微量アルブミン尿を予防できるかどうかを評価するためにデザインされた.

方 法

1,204 例を,トランドラプリル(2 mg/日)+ベラパミル(徐放性製剤,180 mg/日),トランドラプリル単独(2 mg/日),ベラパミル単独(徐放性製剤,240 mg/日),またはプラセボの投与を 3 年以上受けるよう無作為に割付け,検討した.目標血圧は 120/80 mmHg とした.主要エンドポイントは,持続的な微量アルブミン尿の出現(連続した 2 回の受診時の夜間アルブミン排泄量 20 μg/分以上)とした.

結 果

主要転帰に達した患者の割合は,トランドラプリル+ベラパミル投与群で 5.7%,トランドラプリル投与群で 6.0%,ベラパミル投与群で 11.9%であり,プラセボ群では 10.0%であった.事前に定義したベースライン時の特徴で補正した推定疾患加速係数(疾患進行を促進するか遅延させるかに関して,1 つの治療法の効果を他の治療法と比較し定量化した係数)は,ベラパミル+トランドラプリルとプラセボの比較で 0.39(P=0.01),トランドラプリルとプラセボの比較で 0.47(P=0.01),ベラパミルとプラセボの比較で 0.83(P=0.54)であった.微量アルブミン尿の出現は,トランドラプリル+ベラパミルにより 2.6 倍,トランドラプリル単独により 2.1 倍遅延した.重篤な有害事象は,全治療群で同程度であった.

結 論

高血圧の 2 型糖尿病患者で正常アルブミン尿の患者において,トランドラプリル+ベラパミルの併用とトランドラプリルの単独投与は,微量アルブミン尿の出現率を同程度低下させた.ベラパミル単独の効果はプラセボと同程度であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2004; 351 : 1941 - 51. )